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2010/11/08 債券の発行形態 No.4-日経平均連動債-

2010/11/08 債券の発行形態 No.4-日経平均連動債-

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■	メルマガ『債券』編 

-債券の発行形態 No.4-日経平均連動債- 

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このメルマガは、『株式』編、『投資信託』編と続き、第3弾として、『債券』
編となっています。このメルマガのタイトルにあるように、このメルマガを毎
週読めば、資産運用の成功に導いていくということをきっと実感できることで
しょう。どの金融機関にも属さず、どの運用会社にも気を使う必要はない、完
全独立のファイナンシャル・プランナーだから書けることがあります。これか
らも、『本当はどうなのよ?』『本当のことを教えて!』に答えるメルマガに
していきます。どうぞご期待ください!! 

これまでは、国債・社債・外債など、発行主体や日本内外の債券という識別で
説明してきましたが、債券の発行形態には、他にも見ておく必要があるものが
あります。それは、固定利率、変動利率、ゼロ利率などの発行条件にかかわる
もの、その他にも債券ではあるが、それでも説明が必要な、デュアル・カレン
シー債、日経平均連動債、新株引受権付転換社債、優先出資証券など、舌が回
らないような名称の債券があるのです! 

ある意味では、これらは、証券会社の金儲けの種になっている面、顧客に対す
る目くらましになっている面、儲けをたっぷり取るためにコストをわかりにく
くしている面、売りやすく顧客に有利に見える面(実際は危ない)、あとあと
売る時にも証券会社に儲けがたっぷり入る面など、皆さんにとっては気をつけ
なければならないものばかりの話が出てきます。 

これを信じるか、信じないかは皆さんの自由ですが、ここで申し上げておくこ
とがあります。私、尾藤 峰男は証券会社に21年間いて証券会社がどういう振
る舞いをするかを熟知し、債券を個人に売る個人営業、債券発行を海外政府や
メガバンクを含む発行体に働きかける推進部門、債券発行を準備・手続きする
債券引受部門、海外現地法人トップとして債券売買を実際に行った経験があり
ます。さらに、金融業界・法曹界・会計士業界など誰もが認める世界最高峰の
資産運用・証券分析知識をもつとされるグローバルスタンダード資格、米国
CFA証券アナリスト資格を有しているということです。 

日本の金融機関は、世界の金融機関に完全に後塵を拝していますが、その意味
では私、尾藤は、まったくの手間味噌ですが、個人の資産運用の面で、世界の
先陣を走っていると自負しております。そして、皆さんのためには、証券会社
や銀行からの防護壁になるということを忘れないで下さいね。そのためのコス
トは、銀行や証券会社に損させられるであろうと見込まれる額(人生を壊すほど
巨額になることもある)や自分だけでやっているより正しくやっていればもっ
と得られるであろう投資パフォーマンスに比べれば、保険程度に安いものとい
うことです。 

さて、そこで今回は、日経平均連動債です。これは、債券の満期までに日経平
均がある一定水準(たとえば現在の日経平均から30%や40%安にならなけ
れば、通常の利率より数倍もの高い金利がもらえる、というような仕組みをも
つ債券です。一見大変有利に見えますが、実は、ここには非常に怖い仕掛けが
埋め込まれています。そしてそれは、証券会社のおいしい儲けの種になり、皆
さんにとっては、一生をも壊しかねない非常に大きな損失を生みかねないもの
なのです。 

やや専門的になるところもありますが、全部を理解する必要はありません。危
ない商品ということを認識していただくだけでも十分です。 

□  日経平均連動債の実例 

たとえば、こういう債券があります。今年2010年6月に大和証券で売り出された
債券です。 

1.	名称 ノルウェー地方金融公社(格付けAAA、S&P,Moody’s) 

2.	利率 4.81% 

3.	満期 3年 期限前償還条項付き 

4.	ノックイン価格: 6月22日の日経平均価格の60% 

5.	償還金額:3年の期間内に、日経平均株価が一度でもノックイン価格以
下にならない場合、額面金額が支払われる。一度でもノックイン価格になった
場合には、償還額は、額面金額×償還日の10営業日前の日経平均株価÷2010年
6月22日の日経平均株価になる。 

6.	期限前償還条項:期限前償還評価日において日経平均株価が2010年6月
22日の日経平均株価の105%以上の場合、額面金額100%で期限前償還さ
れる。 

発行体の格付けは最高格付けで問題なし。発行体は、おそらく日経平均のリス
クは取ってなく、固定利率か変動利率のドル資金を得ているはずです。通常の
マーケットで調達するより有利な条件を、証券会社から提示されていることが
想像されます。 

そこで、この債券の条件を見ると、満期3年で円での利率が4.81%と異常に高い
です。3年国債は現在0.16%。定年退職者や高齢者は思わず買ってしまう人があ
とを絶ちません。そしてAAAの債券を買ったつもりが株を持つことになり、虎の
子の退職金や老後の資金が半分になってしまったという取り返しの付かないケ
ースが、この10年多発しています。 

□  日経平均連動債の仕組み 

この債券の仕組みを説明しましょう。やや、複雑になりますが、エッセンスだ
けでも吸収するとよいでしょう。 

これだけ高い金利が出せるのは、どうしてでしょう。日経平均のプットオプシ
ョンの売りによって得られた資金が、本来の利率(たとえば0.2%)に上乗せ
されるからなのです。プットオプションを買っていると、一定水準より日経平
均が下がると利益が出る仕組みになっていますが、プットオプションを売ると
いうことは、逆に日経平均が一定水準より下がると、損が出ることになります。
高金利の裏には、この日経平均のリスクがあるのです。そのリスクを知らない
で購入する人が、実に多いのです。 

ところで、証券会社の自己売買部門などの運用側は、このような債券をつくる
ために、プットオプションの買いで対応します。プットを買うということは、
下げると利益が出ますが上がると損するため、それをヘッジするために日経平
均の先物を買って、上がると利益が出るように証券会社のポジションを中立に
します。専門的にはこれをデルタヘッジといいます。 

プットオプションは、一定水準より日経平均が下がると利益が出ると、先ほど
お話しましたが、この一定水準から大きく離れていれば少ないヘッジですむの
ですが、一定水準に近づいてくるとプットオプションの発生確率が高まるため、
幾何級数的にヘッジ量を増やさなければならないという特徴があります。この
デルタヘッジによって積みあがる先物の買いが、相場の急落時に波乱の種にな
ります。 

ところで、この一定水準に日経平均が近づくと、急速に一定水準の価格に向か
って日経平均が下がる傾向があります。一定水準に日経平均が届くと、ノック
インといってオプションが発生し、ヘッジが不要になるからです。この債券で
は、2010年6月22日の日経平均の60%がノックイン価格であるため、元本に
対して購入者は40%の評価損失を出したことになり、一方プットを買うこと
によりこれに対応した証券会社の自己売買部門は、逆にそれに相応する利益を
得ることになります。 

ノックイン価格に到達させ、プットオプションの買いの利益を出すため、大量
の先物売りで相場を下げる手口がここに出てくるわけです。さらにヘッジが不
用になった大量の先物の買いは成行きで処分されるため、株価の下げを加速す
る要因になります。また、これらの先物売りは相場を下げるわけですが、急落
した時点で一転して安値で買戻し、相場が上がった時点で多額の利益を得よう
という思惑もあり、取引倫理上きわめて悪質といわざるを得ません。そして、
まさに市場を大きくかく乱させ、この債券を持っている人ばかりでなく、一般
の個人投資家など善良な投資家に大きなリスクを与えることになります。数年
前には、こういう商品が数千億円もあったというのですから、由々しき事態で
す。 

□  こういう商品を出すのは、お客の利益を犠牲にして証券会社が儲けるため 

皆さん、この図式を見てみましょう。 

このような日経平均連動型債券のような仕組み債は、「発行体の利益+販売会社
の収益+税金=お客様の損失」という利益相反するゼロサム関係になっているた
め、当然「発行体の利益+販売会社の収益+税金」がプラスになるように設定さ
れているのです。そのため、購入者の期待収益値は必然的に大幅なマイナスに
なるようになっているのです。 

これをもう一つの式で見てみましょう。
「株価が下がってノックインした場合の予想される利益×ノックイン確率」>
「支払い利金」 

日経平均連動債のような仕組み債は、この式の左辺が必ず大きくなるようにな
っています。ということは、発行体(ただし通常マーケットの発行条件よりや
やよい程度)や証券会社(かなり収益を取れる裁量がきく)にかならず利益が
出るようになっているということです。購入する皆さんは、利益が出ないよう
になっているわけです。このような債券は、得られるリターンに対して、被る
リスクが著しく高い仕組みに作られています。おそらく、得られる利益に比べ
て、損失を被った場合の損失額は数倍~10倍以上になるといってよいでしょう。 

□  この仕組み債を証券会社の営業担当者はどう売るか 

ここで怖いのは、たくさんの退職者や高齢者が、証券会社の営業担当者のうま
いセールスに乗せられ、これらの債券を買って、ノックイン価格に届いてしま
い、図らずも「債券だと思っていたものが、株に化けちゃった!ということに
なるのです。さらにその時点では数十%も元本は下がっている・・・。これで
は、老後の生活も大きく狂ってしまいます。 

証券会社のセールスは、この債券でしたら、こう説明するでしょう。 

「ノルウェー地方金融公社はAAAの債券ですから、信用度は最高です。元本が戻
ってこないということはまずないです。さらに利率は4.8%ですよ。3年の国債が
0.16%なのに、AAAで4.8%といったら、ものすごくお得です。日経平均がここか
ら40%下がったら、この金利はもらえないのですが、3年の間にまずそういう
ことはないでしょう。また、ここから日経平均が5%上がれば、額面で償還され
るのですから、高い金利をもらってさっさと償還すれば、いうことありません。
そんなの、すぐですよ。」 

ここで、付け加えておきますと、日経平均が105%以上になると、3年の間4.8%
の金利をもらえるメリットはなくなってしまうということです。これを、さっさ
と償還されるのですからリスクは少ないなどと、セールス文句を変えてしまうの
ですから、恐れ入ります。この売り言葉にだまされて、買ってしまった人がいか
に多いことか。 

まず上の式「株価が下がってノックインした場合の予想される利益×ノックイン
確率」>「支払い利金」を証券会社はきちんと計算しているのですが、購入する
側はこれを知る由もなく、ただなんとなく錯覚して、セールスの催眠術にだまさ
れるということです。「まず、そこまでは、下がらないだろう。」という「なん
となく感覚」で決めてしまう怖さ、ですね。 

なお、いえることは、おそらく証券会社のセールスは、この債券の仕組みを正し
く理解している人自体が少ないのではないかということです。おそらく、上のよ
うなセールストークを定型にして売っているのでしょう。 

これが、外貨建て日経平均連動債などとなれば、さらに悲惨です。こういう債券
もあります。たとえば、「日経平均がある一定の水準(当初の60%)まで下が
らなければ、豪ドルで12%の金利がもらえる。ただし、日経平均が105%以
上になれば強制償還される。また一定水準まで下がれば3年満期まで持つことに
なり、その時点の日経平均÷当初の日経平均の割合で、豪ドルで償還される。」 

これは、たとえば当初の日経平均が13850円で購入時の豪ドルが100円として、も
しある一定水準でノックインしますと、償還時に日経平均が9000円で豪ドルが80
円ですと、1000万円購入したものが520万円(1000万円×9000円÷13850円×0.8
(為替))ということになります。12%のクーポンに幻惑され、なんとなくい
いと思って買ってしまったものが、元本が半分になってしまった・・・という事
態になってしまうのです。 

また、このような仕組み債は、中途売却ができにくくなっていて、大幅な損失を
被ることもあります。そもそも中途売却を前提にしていないのです。一方で日経
平均が5%上回れば強制償還して、あとの高利率はもらえないというのですから、
元々証券会社有利に作られているのです。 

□  いくらのコストになっているかつかめないのが問題 

ここでもう一つ問題は、購入する時の手数料がいくらかわからないのが、問題で
す。先ほどの不等式は、つねに>になっていましたが、その程度がどの程度かわか
らない。もしかすると、証券会社は、とんでもない手数料を取っているかもしれ
ないのです。それは、見えないブラックボックスといってよいのです。それだけ
でも買うに値しない商品といえます。さらに、売りを仕掛けることにより、半ば
強制的にノックインさせ、プットの買いポジションで利益を得る、また安く売り
叩いた後買い戻してその戻りで利益を得る。こういうあとに続く利益まで入れる
と、一体どれだけの利益を得ているか、私、尾藤自身もよくわかりません。 

こういう商品がいまだに出回っていること事態が、日本の市場の未熟度、あるい
はモラルの低さ、現在の低迷の原因になっているといってもよいでしょう。日経
平均連動債、いかがでしたか?なお、「一定水準まで、ある指標や株価、為替な
どが下がらなければ、高い金利がもらえる」というような債券、投資信託は、み
な同じような仕組みですので、すべて買うべきではありません。今度こういう商
品を勧められたら、皆さんの対応がこれまでと違うことを願っています! 

さて、来週は、デュアル・カレンシー債についてお話しましょう。 

では、次回をお楽しみに!! 

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それでは、また来週お会いしましょう。皆さんの一週間が、すばらしい一週間
になりますように!  

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編集後記: 

第1回『人生を安心して生きるための金融資産運用セミナー』は、大変好評の
うちに終わりました。セミナー途中でも活発な質問があり、大変なごやかな雰
囲気のなか、2時間があっという間に過ぎてしまいました。アンケートも、
「わかりやすかった。資産運用の必要がわかってよかった。これからは海外に
も投資したい。」等々、今後もセミナーに参加したいという方ばかりでした。 

そこでセミナーの好評にお応えして、第2回の『人生を安心して生きるための金
融資産運用セミナー』を11月27日(土)に、冒頭にご案内しておりますとおり
開催することにいたしました。厳しい時代の資産運用の環境のなかで、きっと
得られるものがあることでしょう。 

お申し込みは、「11月27日セミナー参加希望」としてお名前とご連絡先を、下
記までお知らせください。
E-メール: info@bfsc.jp
Tel: 03-6721-8386
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