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2017/09/25 車のEV化が加速する中、気になるトヨタの動き

2017/09/25 車のEV化が加速する中、気になるトヨタの動き

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-車のEV化が加速する中、気になるトヨタの動き-

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金の運用助言・ライフプランニングサービスを提供する。グローバルな
投資理論や外国株投資・国際分散投資に精通。日本経済新聞、週刊東洋
経済、週刊エコノミストなどへ寄稿・コメント多数。
著書に「いまこそ始めよう 外国株投資入門」日本経済新聞出版社。
2000年びとうファイナンシャルサービス株式会社設立。
投資助言・代理業-関東財務局登録。

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-車のEV化が加速する中、気になるトヨタの動き-

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このところ、電気自動車(EV)の動きが、世界中で一気に加速してい
ます。英仏政府が40年までにガソリン・ディーゼル車の販売を禁止す
る方針を打ち出したのに続き、中国も追随を検討しています。世界の自
動車メーカーも、相次いでEVの開発を表明。フォルクスワーゲンは
2025年にEVを300万台販売する計画を発表、日産・ルノーも中期計
画で2022年までにEVの販売比率が全体の3割まで高まる見通しとし
ています。そうした中で、気になるのがトヨタの動きです。過去に日本
企業が陥った失敗を、中長期的に繰り返すおそれがあるのです。

□ 燃料電池車(FCV)に固執するトヨタ

トヨタは、大変なコストと期間をかけて、究極のエコカーとしてFCV
を開発し、市販に入っています。しかし、水素ガスステーションの設置
は遅々として進まず、1台700万円台となっていて、補助金を入れても
EVに太刀打ちできないため、日本では1000台超の普及にとどまって
いるそうです。

そこで、経済産業省は、水素ステーションの規制を緩め、水素ステーシ
ョンの設置がしやすいように後押しを始めました。現在全国で100箇所
足らずの水素ステーションを2025年度までに320箇所に増やす計画と
しています。またここでも経済産業省が口を挟む構図です。

トヨタは、せっかく開発したFCVの灯は消さないとして、今後も開発
を続ける方針です。しかし、これはかなり危険な道を歩む可能性が見え
ます。

□ FCVは日本オンリーの技術

世界中で、FCVを開発している自動車メーカーは、私の知る限り、ト
ヨタとホンダだけです。特許を公開して、普及を広める努力はしている
ようですが、世界の自動車メーカーのどこも追随してきません。そこに
今回の世界的なEV化の嵐。日産・ルノー陣営もいち早くEVへ舵を切
っています。FCVに他社が追随してこない中で、FCVの普及を広め
ようとするのは、かなりリスクが高いといえます。

□ FCVに固執する理由が見えてくる

EVは従来の部品点数より4割減り、EVの基幹部品の電池やモーター
は、メーカーが多数存在するため、世界的な分業が進みやすいとのこと
です。いわばEVは簡単に作りやすい製品なのです。一方で、従来のガ
ソリン・ディーゼル車は、自動車部品の下請けや取引先が多く、自動車
メーカーを頂点とするピラミッドができていて、なかなかそれを崩すこ
とができない形になっています。FCVに固執することは、既存のピラ
ミッドの仕組みに組み込まれた企業の網を維持するためともいえます。
そこに、経済産業省が出てくる余地があるわけです。

□ トヨタを頂点とするピラミッド体制が危うい

トヨタは、従来のガソリン車生産で、トヨタを頂点とする自動車部品の
下請け体制は強固なものがあります。資本構造も株の持ち合いなどでが
っちりとしています。しかし、ここが逆に大きなネックになるわけです。
すなわち世界がEV化に急速に傾斜していく中で、ガソリン車の下請け
体制を容易に崩せないジレンマを、トヨタは抱えているのです。いわゆ
る自前主義が貫きにくい状況が広がってきている中で、日産は、この下
請け体制をいち早くきっています。したがってしがらみなく、EVに傾
斜できるのです。

□ FCVは日本だけのガラパゴス化の恐れ

2000年代初頭に、ドコモがiModeを世界に広めようとしましたが、そ
れはかないませんでした。そして、日本の携帯はガラパゴス化の道をた
どったのです。今は軒並み撤退。自動車でEVが世界に急速に普及し、
FCVは日本のみで走るという、ガラパゴス化が危惧されます。そして、
トヨタを頂点とするピラミッド体制の従来型の仕組みを残そうとする中
で、競争激化する世界の潮流に機敏に対応していかなければ、どんどん
遅れをとっていく先行きが見えてきます。これからは、大型船団ではな
く、リーンな(むだのない)事業構造が求められるといってよいでしょ
う。

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いかがでしたか、今週のメールマガジン。これからも私、尾藤 峰男は、
メルマガ読者の皆さんに、真に役に立つ「資産運用を成功に導く」情報
を発信していきます。ご期待ください!
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■ 編集後記:
トランプ米大統領と北朝鮮の金正恩の激しい罵り合いには、一国のリー
ダーとしての品位のかけらもありません。これがそういう地位にいる人
物がいう言葉かと思うと、情けなくなってきます。2国の応酬の狭間で、
ミサイルが次々に国の上を飛んでいく我々は堪ったものではありません。

次回メルマガ予定の10月9日は、祝日のため休刊とさせていただきます。
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