2021/12/10 中国政権の強権化を資産運用でどう見るべきか
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-中国政権の強権化を資産運用でどう見るべきか-
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グローバル・スタンダードの米国証券アナリスト資格「CFA」と、FPの最上位国際資格「CFP」をもつ公認投資助言者(RIA)の尾藤峰男です。このメールマガジンは、読者の皆様のおかげで、第473号となりました。
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-中国政権の強権化を資産運用でどう見るべきか-
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周近平政権の強権化が目立ちます。香港は、一気に中国化し、いまでは言論統制が徹底、香港から離れていく人が後を絶ちません。またアリババやテンセントはその輝きを失いつつあります。企業活動に国家統制の色が濃くなり、創造性を必要とする新規事業も少なくなってきます。さて、このような中国の状況を、資産運用をするうえでどう見ていたらよいか、今週はじっくりと見てみましょう。
□ 中国の強権化は、経済の活力を奪う
政権の強権化は、共産党の一党独裁を意味し、自由経済とは真逆の印象があります。となると、自由経済を前提とする株式市場の今後に暗雲が漂うのは明らかです。そこで、この1年の中国と米国の株式市場のパフォーマンスを比較してみましょう。中国は-5.5%、米国は+27.6%。その差は歴然です。この中国のマイナスは、実体経済以上に、マイナス幅が大きいことを示しています。すなわち、中国株式市場の先行きを悲観的に見ているということです。アリババも、中国共産党の意向を気にしながら事業をするのであれば、まるで国有企業のようになっていくでしょう。
□ アメリカは中国の影響を受けない
米国と中国の対立激化は、米国経済に別段、何の影響も及ぼしていません。中国への制裁は、米国の国益を守っているといってもよいでしょう。いわば米国は「やり得」なのです。これだけ米国株式市場が活況なのが、何よりの証拠です。
□ 中国の強がりはいずれ息詰まる
もうすぐ始まる北京オリンピックに、米国、英国、豪州、カナダが外交団を派遣しないことが発表されましたが、このような催しを政権強化の道具に使う中国にとって、苦々しい思いで見ていることでしょう。そして、制裁を科す脅しをちらつかせていますが、いずれ玉切れとなります。自分で自分の首を絞めることにもなりかねないからです。
いま世界の資本市場では、中国・恒大集団の債務問題が懸念されていますが、いよいよ公的機関が登場してきました。すでに対外債務は部分的債務不履行に陥っていますが、中国政府は、この問題をどう扱うか、国内債務を優先するのか、どのように対外債務を扱うのか、日ごろの言動から大いに注目されるところです。
□ 中国の今後の周政権の動静は目が離せない
周近平政権の独裁色が強まれば強まるほど、かつての毛沢東時代を思い起こします。文化大革命というとんでもない過ちを犯して、密告制度まで作り、反分子とつるし上げられた狂気の時代。そこまでいかなくても、その方向に行くような気配を感じます。周近平政権の今後に、遠くから目を凝らしてみておくのが、我々の現在のポジションといえるでしょう。
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■ 編集後記:
すでに開催が迫っている北京オリンピックへの、日本のスタンスが煮え切れません。政府から外交団を派遣するのか、まだ他国の動向を見て、日和見です。そして、オミクロン株のまん延で、中国自身が外交団を受け入れないのを待って、棚からぼた餅を狙うというような報道まで出ています。こういう時こそ、日本の立ち位置を明確にするチャンスなのに、これでは一事が万事、これからも変わらないでしょう、ということです。
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メールマガジン発行者プロフィール:
尾藤峰男 公認投資助言者(RIA)
びとうファイナンシャルサービス株式会社 代表取締役
「米国CFA協会認定証券アナリスト」「CFP」「日本証券アナリスト協会認定アナリスト」「1級FP技能士」の4つの最高難度の資格を持つ。
金融機関と全く関係がない資産運用アドバイザーとして、投資助言料のみで個人の金融資産や退職金の運用助言・ライフプランニングサービスを提供する。グローバルな投資理論や外国株投資・国際分散投資に精通。日本経済新聞、週刊東洋経済、週刊エコノミスト、ダイヤモンドなどへ寄稿・コメント多数。日経CNBC、テレビ東京などにも登場。著書に「いまこそ始めよう 外国株投資入門」「バフェットの非常識な株主総会」。
2000年びとうファイナンシャルサービス株式会社設立。
投資助言・代理業登録-関東財務局(金商)第905号
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