2008/10/27 利益を伸ばし続けられる会社No.5-設備投資が少ない会社
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■ 利益を伸ばし続けられる会社-No.5
-設備投資が少ない会社-
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このタイトル-「利益を伸ばし続けられる会社」は、前回までのメルマガ-No.
11、12、13でお話した10倍銘柄を選ぶ上で、どういう会社がそれに該当
するかということをご紹介するものです。今回はその第5弾-設備投資が少な
い会社-です。
それでは、早速はじめましょう!
□ 設備投資とは、どういうこと?
設備投資といいますと、なにか固い言葉でわかりにくいのですが、要は会社の
お金を使って、工場を造ったり、機械やコンピューターなどの情報システムを
購入することです。そしてややむずかしいのですが、その金額を決められた何
年かにわたって毎年償却していきます。ということは、利益から引かれる費用
ということで、利益を引っ張ることになります。ただ、工場を造ったり、新し
い機械やコンピューターを入れれば、当然ものはたくさん作れるようになり、
仕事の効率は上がりますから、利益も増えるでしょう。
要は、使ったお金以上に十分利益が出ればいいということです。収支トントン
ではだめですね。
□ どうして設備投資をしなくてはいけないの?
技術はどんどん進歩しており、機械も古くなってきたら生産効率が落ちますか
ら、新しいものに買い換えてさらに効率アップを図らなければライバルに負け
てしまいます。情報システムも日進月歩で、何年かすればすぐ陳腐化してしま
います。また、工場がフル操業になりますと、どうやってもそれ以上生産でき
ないところまで来るため、あらたに工場を作る必要が出てくるのです。
□ 設備投資が多いとどうなるの?
設備投資が多いと、持っているお金や銀行から借りたお金をたくさん使うこと
になります。また、さきほどお話しましたが、毎年の利益から一定額が償却さ
れますから、設備投資が多いとその償却額が多くなります。
そして、その設備投資によって目論見どおりに製品が売れ、事業が効率化し、
償却額を上回る利益を出せばいいのですが、目論見がはずれ製品は売れない、
機械も故障が続き、情報システムもダウンばかりとなれば、大変です。利益は
思うようにあがらず、費用だけは毎年きちんと出て行くとなれば、償却が続い
ている間そういう状態のままかもしれません。
ということで、目論見が外れるリスクというものが、設備投資にはつき物とい
うことです。そして、設備投資が必要な業種、あるいは設備投資をする会社に
製品を販売することで潤う会社は、そのリスクがいつもあるということです。
□ 設備投資をすると、たとえばどういう会社でどうなるの?
・ 製鉄会社がフル操業で高炉が足りない状態が続き、あらたに高炉建設に何
千億円と巨額の設備投資を決定するというケース。この場合、前の沈滞期から
フル操業になってもすぐには踏み切れず何年かたってやっと高炉建設を決める
ということが往々にしてあり、高炉建設には何年かかかり、高炉ができたとき
には景気後退で、最新設備も宝の持ち腐れというようなリスクをはらんでいま
す。
・ たとえばDRAMという半導体メーカーは設備投資が重い業界で、需要や
技術動向を間違うと、設備投資のリスクが一気にのしかかってきます。つい最
近もエルピーダメモリーが、巨額の融資を銀行に頼み込んだように、設備投資
が重く手元に現金がなくなり、需要や技術進展状況など誤ると利益は出ず、資
金繰りがすぐに大変になってくるのです。
・ また工作機械メーカーなどは、お客さまの企業が設備投資のため機械をた
くさん買ってくれると潤うわけですが、機械の設備投資の波は大きいため、そ
のものを造る工作機械業界は利益の変動が大変大きくなり、絶好調の時点から
一気に不況業種にということもよくあります。特に今のような時期はそういう
ことが予想されます。
・ 健康サプリの原料(たとえばコエンザイムQ10)などは、人気が急騰し
てもすぐには増産できず、工場建設に2~3年かかりますから完成したころに
は、ブームはすっかり静まり、製品はあまり気味ということになりかねません。
設備投資のタイミングは難しいのです。
・ 設備投資が多い会社の中でも、絶妙に設備投資をやっている会社もありま
す。信越化学はそれに該当するでしょう。この会社の金川社長はもう齢80歳
を越えていますが、設備投資のタイミングは天才的とのことです。要は、景気
が悪いときに(何でも安いとき)勇気を持って設備投資をし、景気がいいとき
に増産してたくさん売り、利幅も大きくとるという戦略です。
設備投資が大きい会社でも、こういう会社を選べばいいのです。私は、設備投
資が多い会社は、みんな悪いといっているわけではありません。設備投資が多
い会社は、こういうリスクがあるとお話しているわけでして、設備投資をする
会社はみんな避けるべきとお話しているのではないことは、ぜひお含みおきく
ださい。
□ ではどういう会社は設備投資が少ないでしょう?
・ たとえばユニクロ(ファーストリテーリング)、良品計画、しまむらなど
の衣料品チェーンは、設備投資が相対的に多くはないでしょう。
・ 製薬メーカー(武田薬品・第一三共、メルクなど)も、研究開発には巨額
の資金を投じますが、設備投資はそれに比べればはるかに低いものです。
・ また、食料・飲料品(コカコーラ、日清食品など)・トイレタリー用品
(花王・P&Gなど)など、景気の波の影響が大きくない製品を作っている会
社は、設備投資自体はしますがコンスタントで、その変動は大きくありません。
□ 設備投資が少ないといいことあるの?
まず、設備投資の決定の間違いによる利益への影響が少なくなります。という
ことは、設備投資はかなりタイミング的リスクが高いため、設備投資が少ない
会社のほうが利益自体安定している傾向があります。その様な会社の中で競争
力があり、市場シェアが高い会社は利益をかく乱する変動要因が少なく、利益
を伸ばし続けることができるというわけです。皆さんもこういう会社ならいい
と思いませんか?
さぁー、来週は、利益を上げ続けられる会社すなわち株価や配当が上がってい
くと思える会社の6番目、すなわち「ブランドバリューが高い会社」について
お話します。
ぜひご期待ください!!
今週も最後まで読んでいただいて、大変ありがとうございます。ご質問、ご意見
大歓迎です!! どしどしお寄せください。
このメルマガは、株式編に入ってきています。来週以降も、中身の濃い情報をど
んどんご紹介していきますので お友だちやお知り合いにも教えてあげてくださ
いね。
それでは、また来週お会いしましょう。皆さんの1週間が、すばらしい1週間に
なりますように!!
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