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お金の増やし方講座

老後のお金を死ぬまで続けさせるいくつかのポイント

このテーマは、われわれにとって大変大事なテーマで、多くの場合に日本人の資産形成に大いに当てはまることです。年金支給の後ずれ、支給額の減少、賃金の減額、職の安定性の低下などは日本特有の問題であり、大変重く受け止めなければならないでしょう。

□ お金のあらゆる面で、シンプルなことと一貫性が大事

まず大切なことは、退職前にしても退職後にしても、お金を取り巻くあらゆる面で、シンプルなこと、一貫して変わらないことが大事です。

退職前は、資産積み上げフェーズです。その期間のポイントは、シンプルで手間をかけずに、一貫して続けることが大事です。ただし前提は、正しい方針のもとです。間違った方針では、とんでもないことになります!また、仕事にいそがしいですから、いちいち投資に時間をかけてはいられません。というより、手間をかけすぎると目先にとらわれがちになり、資産形成を危うくするといったほうがよいでしょう。一貫して続ける時間軸は、1年や2年ではありません。20年、30年のレベルです。

また退職後は、資産の全体像を把握しやすく、管理しやすく、年をとっても簡単に引き出せるよう、1つか2つの身近な金融機関にまとめることが大事です。80歳過ぎて、パソコンに向かって、引出しの手続きをするというのもつらいでしょうから、オンライン証券より窓口のある金融機関のほうが使い勝手がよいですね。気をつけなくてはいけないのがセールス攻勢ですが、それは別にして、です!

□ 資産形成の失敗は取り戻せない

退職は1回限りです。そしてその時点で十分に貯めていないと戻ってやり直すことはできません。そこが資産形成の恐いところです。早くしっかり準備しておくことが大事ですね。そして、「退職後に向け、用心には用心を」と防御的スタンスで積立に努めることが大事です。ここで、資産運用をする上で忘れてはならない言葉をお話しましょう。

-投資家にとってのゴールは死ぬまでお金がなくならないこと。-P・バーンスタイン

特にこれからの日本では、国の制度や他人はあてにならず、自分に頼るしかありません!

□ どこまで長生きするかは、しっかり設定するべき

多くの人たちは、「自分はあまり長生きしない」と見る人が多いようです。米国での調査では、米国人は余命を5歳以上短く見積もっているそうです!また、寿命は同性の親より2~3年長く生きると見るべきとする考え方もあります。これからは90歳が珍しくない時代になってきます。「私は、長生きしない。80まで生きるとは思えない。」などといって、後のことを考えずに95歳まで生きてしまったときのことを想像すると、ぞーっとするものがありませんか?この見積もり違いは、長生きできたというのに、致命的な悲劇にもなりかねません。

□ 退職後、いくらくらい必要か

米国FPジャーナルの記事では、退職後の収入は、退職直前の収入の80% 程度が確保できればよいとしています。また、75歳以上になると支出はそれまでより減ってくるといっていますが、それは当然でしょうね。旅行は少なくなるでしょうし、自動車も運転しなくなる、食事も多くは食べなくなるでしょう。

□ お金の引き出し方-定額ではなく、定率で!

米国でも、死ぬまでお金を持たせるために様々なお金の引出しの考え方がありますが、年当たり資産の4~5%程度の定率引出しというところが、大方の認識としてまとまっているところです。日本の場合も、安全に見て4%程度が妥当でしょう。明らかな過ちは、定額を引き落とすという考え方です。この考え方ですと、資産価値が下がったときに引き出す率が多くなるので、残る資産が想定以上に減ってしまいます。下がったときは少なく、上がった時は多く引き出せる「定率引出し」が引き出し方の基本です。

□ ポートフォリオの特徴

構築するポートフォリオは、広く分散されたポートフォリオで、その人のリスク許容度にあった安定運用ができることがポイントです。そして、換金しやすく、換金コストも低い金融商品にしておくことも大事です。ヘッジファンドや仕組み商品などは換金が難しいことが多く、いざという時、すぐに使えないのでは、本末転倒です。
以上であげたポイントが、資産運用をする上でのすべてではありませんが、これらを欠くことが適当でなく、あらかじめ考慮しておくと、後で非常に効果を発揮してくるポイントをまとめました。ぜひ参考にしてください!
 

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