2015/09/07 保険のおかげで、いかに資産が増えないか
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-保険のおかげで、いかに資産が増えないか-
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Tel: 03-6721-8386
講師:尾藤 峰男 びとうファイナンシャルサービス代表取締役
プロフィール:
米国CFA協会認定証券アナリスト、CFPR、日本証券アナリスト協会検
定会員、1級FP技能士の4つの最高難度の資格を持つ唯一の日本人。
金融機関から完全独立のFP・資産運用アドバイザーとして、個人の金
融資産や退職金の運用助言・ライフプランニングサービスを提供する。
2000年当社設立。グローバルな投資理論や外国株投資・国際分散投
資への造詣が深い。日本経済新聞、週刊東洋経済、日経マネーなどへ
のコメント多数。TV東京・日経CNBCにもたびたび出演。著書に「いまこ
そ始めよう 外国株投資入門」日本経済新聞出版社。
投資助言・代理業として関東財務局登録。
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■ 毎週3分で、資産運用の成功へ導くメルマガ!:No.343(2015.9.7)■
グローバル・スタンダードの証券アナリスト資格CFAとFPの最上位
国際資格CFPをもつFP・資産運用アドバイザーの尾藤峰男です。この
週刊メールマガジンは、読者の皆様のおかげさまで、第343号となり
ました。
このメルマガでは、大切なお金の運用で皆さまのお役に立てるよう、そ
の成功へのステップを私、尾藤 峰男がわかりやすくお話していきます。
金融機関から完全独立のFP・資産運用アドバイザーだからこそ、本当に
役に立つ情報をお届けできます。これからも『本当はどうなの?』『本
当のことを教えて!』に答えるメルマガにしていきます。
ぜひ、ご期待ください!!
私、尾藤 峰男は世界の金融業界・法曹界・会計士業界など誰もが認め
る世界最高峰のグローバル・スタンダード資格、米国CFA証券アナリスト
資格を有しています。その資格管理団体である米国CFA協会は、次のよう
にいっています。
-CFA資格保有者といっしょにやることは、他のどの資産運用のプロとや
っても得ることができない心の安心を顧客にもたらす。
-CFA資格を保持しているということは、他のどの資産運用のプロでも決
して到達することのできないレベルで、お客様の事情や状況を詳細にわ
たり理解できる能力を持っていることを証明するものである。
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■ メルマガ『資産運用』編
-保険のおかげで、いかに資産が増えないか-
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日本人は保険大好きで、いざというときのためにとせっせと生命保険や
医療保険、養老保険、年金保険にお金を注ぎ込んできました。その結果
1人当たり保険料支払額でダントツの世界第1位の保険大国となりました。
しかしそれで、個人の金融資産が健全に増えてきたかというと、大きな
疑問符が付くのです。この20年ほどは、保険に加入して無駄にお金を捨
てていたか、ほとんど増えない保険に固定していたという図式になって
いるといってよいでしょう。それに気がつかないまま時を過ごしている
のが、ほとんどの日本人の姿で、一方でその間しっかりお金を懐に入れ
ているのが、名だたる保険会社という構図です。そこで今週は、日本人
の保険利用の実態といかにそれが資産形成を阻害しているかを見てみま
しょう。
□ いま終身保険に入れば、一生1%固定利率で運用するのと同じ
現在の生命保険(終身保険)の予定利率は1%です。これは加入する終
身保険を利回り1%で生涯運用することを保障するものです。しかし考
えてみてください。若い人がこれから50年、60年の間、利回りを1%で
固定されたら、金利が上昇した場合に大きく割り負けしてしまいます。
たとえばこれから50年間インフレ率が3%とした場合、現在の100万円が
50年後438万円と同じ価値なのに、予定利率1%で50年後自分が死ぬとき
164万円(現在の貨幣価値で37万円)しかもらえなかったら、遺族の有
難味も大きく減るでしょう。長い間には何が起きるかわからず、何が起
きてもおかしくないとすれば、1%で一生涯を固定してしまうのは極め
て危険といってよいでしょう。それに引き換え、保険に入れるお金を運
用に回し、たとえば100万円を5%で運用すれば、50年後なんと1150万円
(現在の貨幣価値で263万円)になっているのです。こちらの方が相続税
は取られるとしても、遺族もよほど喜ぶでしょう。
□ いざというときの為にと、誤った保険に入っていることが非常に多い
保険の最大の問題点は、いざというとき困らないように保険に入ってい
れば安心ということで、かなり気軽にいろいろな保険に入ってしまうこ
とです。しかしいったん入ると、あとは定額引き落としであまり意識せ
ず、保険の内容もよくわからず、10年、20年続けてしまうということに
なります。ここで、誤った保険の加入例を紹介しましょう。
1.保険外交員の勧めるままに保険に入ったが、結果的に自分が認識し
ていた保険とは違っていたケース。老後の年金用と思っていた保険が、
医療保険の特約がたくさん付けられた保険だった。
2.保険のメリットがあまり効かないケース。年が離れた専業主婦を被
保険者として、世帯主の夫を受取人とする終身保険に入っていても、保
険の効果はあまりない。
3.年金世代の親が、独立して所帯を持つ子供を受取人として、高額な
定期保険に加入しているが、子供は保険金がなくても困らない。
4.若く独身だが、親を受取人として終身保険に加入しているケース。
上のようなケースでは、保険に入る必要性がほとんどありません。保険
に入るメリットがなく、いわばお金を長い間無駄に使ってしまっている
ことになります。
□ 若い人も高齢者も、民間医療保険に入る必要はない
テレビのコマーシャルで、がん保険とか先進医療特約、いざというとき
のためにという言葉を聞かない日はありません。米国がん保険トップの
保険会社は、業績が堅調で株価もどんどん上がっているのですが、利益
のほとんどを日本から上げています。いわば日本でのがん保険料が利益
の金城湯池です。業績堅調で株価も上昇が期待できるのですが、利益の
ほとんどを日本人からいらない保険料収入で得ているのを考えると、二
の足を踏んでしまいます。
基本的に、民間医療保険は必要ありません。日本は公的医療制度が世界
で最も充実している国です。これは大変誇れる点です。高額療養費とい
う制度があることは、耳にしていることでしょう。月8万数千円を自己
負担額の上限として、それ以上かかった医療費は、どんなに高額でも公
的保険制度でまかなわれる非常によい仕組みです。医療費の負担はこの
仕組みで抑えられるのです。大企業では、2,3万円の自己負担を上限と
する福利・厚生制度もあると聞きます。また入院日数は年々少なくなっ
ていて(平成2年45日→平成24年30日)、民間医療保険による入院給付金
も少なくなっています。数十万円の保険料を払って、入院給付金はせい
ぜい数万円、あるいはもらわなかったということもあるでしょう。また
給付金をもらわなかったのは健康だった証拠と変に納得させてしまうの
も曲者です。現在健康でいつ入院するともわからないなかで、民間医療
保険に入るのは、愚の骨頂といってよいでしょう。その分資産運用に回
した方がよほどよいのです。
□ 外貨建て年金保険に入ってはいけない
外資系の保険会社が最初にはじめ、現在では日本の保険会社も銀行経由
で販売し始めていますが、豪ドル建て、カナダドル建て変額年金保険な
るものを盛んに販売し、人気を集めています。しかしこの保険も入って
はいけない保険です。皆さん冷静に考えてください。今後20年、30年先
に受け取れるようになる年金を、いまこれらの国の金利が日本より多少
高いからと、通貨を固定しその通貨の為替リスクを長きにわたり取ると
いうことは、非常に恐ろしいことなのです。人気を集める豪ドル建て年
金保険の年金支払通貨の豪ドルは、2014年末1豪ドル106円だったのが、
いまでは90円割れです。1年もしない間に15%も価値が下がったのに、
その為替リスクを20年、30年も取るなどというのは、きわめてお金を大
きく減らすリスクが高いのです。
□ いざというときのためと払う保険料は、積み重なると半端ない
私どもに相談に来る方が1世帯で払う保険料は年間35万円~40万円とい
うところが平均です。多くなると、年間50万円を越えてきます。こうい
った保険料は、上でお話したようなほとんど増えない終身保険、いつま
でたっても使わない医療保険、通貨リスクをもろに受ける外貨建て保険、
受取人と被保険者がまったく逆の無駄な保険に支払われています。こう
いった保険に入っている日本人は、膨大な人数にのぼるでしょう。そし
て保険の恐いのは、いざというときの安心という気持ちが勝り、長年に
わたり保険料を、痛みを感じず払い続けるということです。その額を年
間40万円として30年払い続けると1200万円、それを1%利回りで運用し
て40年後に保険金として受け取ると、受取額は1600万円となります。
それを5%で資産運用すると4600万円となります。その差は実に大きい
ですね!この意味するところは、保険に入って資産運用にもっとも必要
な時間と資金をとられてしまうということです。こうして長い間に人に
よる資産の開きが出てくるのです。
いかがでしたか、今週のメールマガジン。これからも私、尾藤 峰男は、
メルマガ読者の皆さんに、真に役に立つ「資産運用を成功に導く」情報
を発信していきます。ご期待ください!
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■ 編集後記:
このところ報道される多数のシリア・イラク難民のユーロ圏への脱出行
をまざまざと見せられると、本当に心が痛みます。平和な日本では考え
られないことです。難民を受け入れる欧州各国も、世論に動かされ、受
け入れを始めています。オーストラリア・ニュージーランドも受け入れ
るとのことです。これまで難民受け入れを極めて少人数に限り、事実上
拒んでいる日本がいつまでも今のままでいられるか、はなはだ疑問です。
移民政策を含め外国人受け入れの方針は、今後大きな国家的テーマとな
っていくでしょう。
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