2009/10/26 お客さまに提供される資料「運用報告書」
□ 毎週3分で、資産運用の成功へ導くメルマガ!:No.70(2009.10.26)
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グローバルスタンダードの証券アナリスト資格CFAとFPの最上位国際資格
CFPをもつ資産運用アドバイザーのびとう@BFSです。このメールマガジン
は、おかげさまで第70号となりました。ご愛読感謝しています。
このメルマガで大事なお金の運用で皆さんにお役に立てるよう、しっかりその
成功へのステップを、CFA&CFPのびとう@BFSがわかりやすくお話していき
ます。
ぜひ、ご期待ください!!
このメルマガは、連載形式になっています。これを読めば、どうすれば資産運
用で成功するかがわかるようになっています。お知り合いや友人の方にも、早
めに紹介してあげてくださいね。
メルマガの最後には、びとう@BFSへの質問コーナーもあります。ご質問は無
料ですので、お気軽に日ごろの疑問や悩みを聞いてみませんか?
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■ 知らないと損する「投資信託の仕組み」
お客さまに提供される資料-「運用報告書」
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このメルマガは、投資信託編となりました。皆さんの資産形成にとって投資信
託は大変有力な金融商品ですから、ぜひこのメルマガで勉強してくださいね。
さて、これからしばらく「投資信託の仕組み」を勉強します。やや説明トーン
になってくるところもありますが、できるだけわかりやすくお話していきます。
この「投資信託の仕組み」を知っていることは、皆さんの大切なお金を預ける
わけですから、絶対に大切なことなのですね。いいかえると、知らないと損す
る「投資信託の仕組み」なのです!!
ここで知っている人もあえて整理することもいいですし、知らなかった人は投
資信託の基礎を勉強するいい機会です。ぜひ知っておいてほしいことばかりで
す。多分皆さんは、これを読むことによってほかの人に投資信託については優
位に立つことでしょう。
さてそこで、今回は「お客様に提供される資料」の2回目です。前回は、投資
信託を購入するときに提供される資料の「販売用資料」と「目論見書」でした
が、今回は、購入した後に提供される資料です。これには、「運用報告書」が
あります。
大切なお金で購入した投資信託が、どう運用されているかを報告するのが運用
報告書です。
これが残念ながら、あまり読まれていないのですね。なぜでしょう。率直に言
って、あまり読む気になるような体裁ではないからです。
しかしながら、この「運用報告書」は購入時に提供される「目論見書」と双璧
をなす大事な書類で、法律によって作成することが義務付けられているものな
のですね。お金を託したからには、「運用報告書」はぜひ読みましょう!!ま
たこの運用報告書には、この投資信託を持っていない人にも、大変役に立つ情
報が入っているのですよ。
そこで、「運用報告書」を読むときに押さえておくポイントや株式投資の役に
立つ情報源としての使い方などを、わかりやすくお話していきましょう!!
□ 「運用報告書」は会社の決算報告書のようなもの
「運用報告書」は、投資信託の決算期に作成されるものですが、おおむね年に
2回作られているようです。ここでは、ノムラ日本株戦略ファンドを例に、
「運用報告書」を説明していきます。
http://www.nomura-am.co.jp/fund/annual_gen/R1140239.pdf?PHPSESSID=d190c6b3e74443f9e7ddae371545aa97
運用会社の野村アセットマネジメントが運用報告書を作っています。運用報告
書は、運用会社が作るものなのですね。毎年2回、6ヶ月の決算期分を報告し
ています。いわば会社の決算報告書のようなものといえます。
まず表紙には、この投資信託の仕組みが書かれています。このなかでは、運用
方針が主なポイントです。
1ページには、運用責任者が、〈受益者の皆様へ〉として、ごあいさつととも
にこの期の運用状況の概略を説明しています。この部分は、ぜひ読んでおきた
いですね。運用状況が、手っ取り早くわかるところです。
次に、以下のような項目で、説明していきます。
◎最近5期の運用実績
◎最近10期のベンチマークとの差異
◎当期中の基準価額と市況等の推移
◎分配金
◎運用経過
◎今後の運用方針
◎1万口当たりの費用の明細
◎親投資信託受益証券の設定、解約状況
◎親投資信託の株式売買金額の平均組入れ株式時価総額に対する割合
◎ノムラ日本株戦略ファンド マザーファンドにおける主要な売買銘柄
◎利害関係人との取引状況等
◎ノムラ日本株戦略ファンド マザーファンド組入れ資産の明細
◎組入れ資産の明細
◎投資信託財産の構成
◎資産、負債、元本および基準価額の状況
◎損益の状況
ここまでで、19ページになります。このうち、読んでおくべきところは、
「今後の運用方針」までのところでしょう。ここまでで11ページですから、
読もうと思えば読めないことはないでしょうね。
「最近5期(2.5年)の運用実績」は、時系列の表形式ですから、一目で基
準価額の推移がわかります。また、日本株戦略ファンドが中長期的にパフォー
マンスで上回ろうとするベンチマーク(東証株価指数)の騰落率が入っていま
すので、その対比が容易にできます。
「最近10期(5年)のベンチマークとの差異」は、日本株戦略ファンドが、
過去5年ベンチマークに対してどの程度の差異で推移したかをグラフで示して
います。これを見ると、10期で4勝6敗、数字の単純な足し算では、+3%
となっています。ベンチマークを中長期で上回ろうとすることを目標として運
用するわけですから、ベンチマークを上回らなければ買う意味がありません。
なぜなら、ベンチマークに連動して動くことを目標とする投資信託を、はるか
に安い手数料で買っておけばいいからです。ちなみに、日本株戦略ファンドの
販売手数料は3.15%、信託報酬は1.995%(税込み)です。一方東証株
価指数連動の上場投資信託は、買付手数料はネット証券で0.1%程度、信託
報酬が0.11%です。
2000年2月の設定来ですと、日本株戦略ファンドが-52.1%に対し、
東証株価指数は-46.4%ですから、ベンチマークに負けていることになり
ます。
「運用経過」も読んでおくといいでしょう。基準価額の推移がグラフで示され
ているので見やすいです。また、主な変動要因が説明されていますから、この
期間で下落・上昇とも、なにが市場を動かしていたかがよくわかります。その
見方は、市場の動きを整理するうえでも、役に立つ資料ともいえますね。
また業種配分や主な上位銘柄の期中の変化も示されていますから、このファン
ドの運用スタンスが垣間見られ、興味深いものがあります。自分が株式投資を
する際のいい参考情報になるともいえるでしょう。
「今後の運用方針」は、おなじようにこれからの自分なりの見通しをつくる上
で、大いに参考になります。いわば運用のプロが今後6ヶ月~1年の運用をす
る上での見通しを大事なお客さま向けに発表するわけですから、彼らも真剣で
す。言い方を変えますと、証券会社などがお客さま向けに出す資料より、セー
ルス向けでない、よりピュアな(純粋な)見方がわかるといえるかもしれませ
ん。こういう旗艦ファンドのような投資信託の運用は、運用会社がもっとも力
を入れるものであり、だからこそその「今後の運用方針」は大いに参考にでき
るのです。
また下の方にある「主要な売買銘柄」もなかなか興味深いですね。この期間に
買った銘柄、売った銘柄が株数、単価まで入って示されており、これも自分の
株式投資の参考にできるのです。
ここで、皆さんに取っておきの情報をお伝えしておきましょう。それは、この
「運用報告書」は、その投資信託を持っていない人でも、ネットから簡単に手
に入ります。ということは、有数の投資信託の運用報告書を見て、機関投資家
なかでもメジャーな運用会社がどう運用に臨んでいるかがわかり、経済や株式
市場を見通す上でも、大変役に立つ情報が得られるということです。
その辺に転がっているガセ情報や売らんがためのセールス志向の情報より、よ
ほど役に立つ情報源といってもいいでしょう!!
□ 指数連動を目指す投資信託の「運用報告書」のもっとも大切な点は・・・
これまでお話してきたのは、ベンチマーク指数を上回ることを目指す積極運用
型の投資信託の「運用報告書」なのですが、指数連動を目指す投資信託の「運
用報告書」で見るべきもっとも大事な点は、ベンチマーク指数との差異です。
ベンチマーク指数に連動することを目指すわけですから、ベンチマークからあ
まりに乖離した運用をされたのでは困るわけです。ベンチマークにそっくり連
動させることは、信託報酬などの手数料や売買手数料がかかることから事実上
難しく、いかにその差異を少なくして連動させられるかが、この種の投資信託
の優劣を示します。
この指数連動の投資信託の「運用報告書」には、経済や株式市場の見方を表す
内容はなく、そのための使い方としては利用する価値はありません。
□ 「運用報告書」はなかなか読む気にならないのが、問題。
こういう大変大事な報告書でありながら、なかなか読む気にならないのは、私
は、この報告書が白黒だからではないかと見ています。カラーで紙ももう少し
見栄えのする質のものにしたら、もっと読む気になるのではないでしょうか。
このあたりは、もう少し考えてもらいたいですね。
□ 運用報告書は、ぜひ読みましょう!!
白黒で面白くないイメージが強い「運用報告書」ですが、このように利用の仕
方をつかんでおけば、ものすごく役に立つ情報源なのですよ。できれば、秘密
にしておきたいことを教えてしまったかも知れません・・・。このメルマガを
読んでいる読者の方限定です。ぜひ活用してください!!
今週のメルマガはいかがでしたか?感想・意見などお聞かせいただければ大変
うれしい限りです。投資信託編は、まだ始まったばかりです。これからも、
もっと皆さんが知らない、それでいながらどうしても知っておくべき投資信託
のお話をしていきます。
どうぞお楽しみに!!
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このメルマガは、投資信託編、債券編、資産運用編、ライフプラン編など中身
の濃い情報をご紹介していきますので、お友だちやお知り合いにも教えてあげ
てくださいね。
それでは、また来週お会いしましょう。皆さんの一週間が、すばらしい一週間
になりますように!
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編集後記:
きのうは、毎年開く大学のクラスの同窓会に行ってきました。おなじ大人でも、
若いときクラスで一緒だった人と話すのは、同年代の仕事上の付き合いの人と
では、ぜんぜん違うんですよ!!同じ若い時期を過ごした友と話すのは、得が
たい感覚があります。そこからなにか生まれて来そうな発想とかインスピレー
ションとか、独特のものが感じますね。
そういう意味で今の若い人たちに言いたいのは、若いうちにできるだけたくさ
んのこういう友達を作っておこうということです。年を取ってからつくろうと
思ったって、これこそ手遅れですからね。
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