2016/12/26 「株といえば日本株」の訳は?
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-「株といえば日本株」の訳は?-
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グローバル・スタンダードの米国証券アナリスト資格「CFA」と、FPの最上位国際資格「CFP」をもつFP・資産運用アドバイザーの尾藤峰男です。この週刊メールマガジンは、読者の皆様のおかげで、第377号となりました。
このメルマガでは、大切なお金の運用で皆さまのお役に立てるよう、その成功へのステップを私、尾藤峰男がわかりやすくお話していきます。金融機関から完全独立のFP・資産運用アドバイザーだからこそ、本当に役に立つ情報をお届けできます。これからも『本当はどうなの?』『本当のことを教えて!』に答えるメルマガにしていきます。
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-「株といえば日本株」の訳は?-
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皆さんの持つイメージでも、株といえば「日本株に投資する」というイメージが多いでしょう。確かにニュースや新聞で「ニューヨーク・ダウがいくら上がった、下がった」とよく聞きますが、「そうか」と受けとめるだけで、大抵はそこまでです。また株式投資というと、それほど多くの銘柄を持っている人はあまりいません。せいぜい5,6銘柄というところでしょう。しかも、ほぼ日本株だけ。ここにも、投資のパフォーマンスが上がらない原因があります。そして、どうしたら上げられるか。今週は欧米の最新の研究も交えて見てみましょう。
□ 「株といえば日本株」
多くの日本人にとって「株といえば日本株」と当然のように思います。それはいわば自然な帰結です。よく使う商品の多くが日本製ですし、メディアの広告やコマーシャルはほとんどが日本のものを宣伝していますから、その会社に対する親近感が生まれてくることは当然です。ワールプールの洗濯機やフーバーの掃除機はよく知らないので、使わないでしょう。これと同じで、株でも国内株に目が行く「ホーム・バイアス」(自国偏重)があります。
新聞やマネー誌でも、個別株の銘柄紹介は、すべて日本株です。外国の個別銘柄を紹介することは極めて希です。また株式投資を指南する評論家やアドバイザーは、日本株の見通しやチャート分析に大きく偏っています。
□ 「株といえば日本株」の訳は
「株といえば日本株」となるのは、まず売買が簡単ということがあります。どこの証券会社でもいつでも買えます。そして会社の名前や製品をよく知っているので、親近感、安心感があります。また上でお話したとおり、情報へのアクセスが容易ということも大きな要因です。
さて最近の欧米の研究(Review of Quantitative Finance and Accounting, July 2016)
によりますと、このような自国に偏った投資になるのは、資金の制約があり多くの投資先にお金を割り振れないという面、さらにギャンブル的志向があることが原因としています。くじを引くように、当たったか外れたかの結果が手っ取り早くわかる手軽さというものです。よく知っている(と思っている?)日本株に投資することによって、当たったか外れたかがすぐわかり、それがおもしろいというギャンブル的志向です。逆に言えば、日本株に偏るということは、ギャンブルに陥りやすいといってもよいでしょう。
またこの研究によりますと、フランスの投資家は1銘柄しか持っていない投資家が22%に対し、10銘柄以上持っている個人は18%しかなく、保有する銘柄数の中央値は3~4銘柄程度と少なく、さらにほとんどがフランス株ということです。どこの国も同じです。
この風景は、日本の個人にも驚くほどぴったりあてはまるものです。保有する銘柄数は少なく、そのやり方はくじを引くように、切った張ったのギャンブル。それに使うツールは、親近感がわく日本株というわけです。
□ 「株といえば日本株」の末路は
「株といえば日本株」というと、シンプルに聞こえますが、ここに潜んだ恐ろしさは、途方もないものがあると感じます。すなわち、上でお話したとおり、切った張ったのギャンブル的要素が大きくなり、お金を失う危険性が、途方もなく高くなるということです。
さらに投資先が分散されない、特に海外の株に目が行かないという決定的欠点があります。5年、10年、20年、30年のいずれの保有期間でも、日本株より外国株(ここでは世界株)に投資していたほうがパフォーマンスはずっとよかったという結果になっています。
上のお話で「資金が少ないので多くの投資先に投資できない」制約があるとありますが、これは個別株の話で、投資信託を買うことにより解決できます。当社ではたくさんの外国の個別株をお客様のポートフォリオに組入れていますが、まさに日本株だけとは大きく風景が違います。
いかがでしたか、今週のメールマガジン。これからも私、尾藤 峰男は、メルマガ読者の皆さんに、真に役に立つ「資産運用を成功に導く」情報を発信していきます。ご期待ください!
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■ 編集後記:
三菱自動車の取締役報酬がこれまでの3倍に引き上げられたとのこと。2度の不祥事を起こし、現在もトップを務める益子社長を含む役員報酬の枠が3倍に引き上げられるとは、合点が行きません。株価下落の被害を被ったほとんどの株主はそう感じていることでしょう。さらに社外取締役6人が、三菱グループ、日産、通商産業省OBとは、昨今のコーポレートガバナンスの動きからも逆行します。これからも三菱自動車の再生はあまり期待しないほうがいいということでしょう。
本年も当社メルマガをご愛読いただき、大変ありがとうございました。来年もどうぞよろしくお願いいたします。
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