2010/07/26 国債だから安心などといっていられない
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グローバルスタンダードの証券アナリスト資格CFAとFPの最上位国際資格
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おかげさまで第109号となりました。ご愛読いただき感謝しています。
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■ メルマガ『債券』編
―国債だから安心などといっていられない―
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このメルマガは、『株式』編、『投資信託』編と続き、今回より、いよいよ
『債券』編となります。このメルマガのタイトルにあるように、このメルマガ
を毎週読めば、資産運用の成功に導いていくということをきっと実感できるこ
とでしょう。どの金融機関にも属さず、どの運用会社にも気を使う必要はない、
完全独立のファイナンシャル・プランナーだから書けることがあります。これ
からも、『本当はどうなの?』『本当のことを教えて!』に答えるメルマガに
していきます。どうぞご期待ください!!
さて、前回のメルマガで「国が国債の借金は返せないということはない」とお
話しましたが、そこに「円であれば」という条件をつけたことを覚えています
か。
国はいくらでも税金を上げることができる徴税権のほかに、国はいくらでも円
を発行できます。そのため、「円であれば」国債の借金を返せないということ
はないわけです。
□ 国が、外貨で借りると返せなくなることがある
ところが、たとえば米ドルなど外貨で借りていると、返せなくなることがあり
ます。数年前、アルゼンチンが日本で発行した円建て債が、債務不履行になり
ました。なぜ、そうなるのでしょう。それは、自国の通貨であれば、インフレ
になろうが外国通貨に対して通貨価値が下がろうが、構わずにいくらでも円を
発行して返済にまわせるのですが、外国通貨で借りている場合、外国通貨で返
済しなければならないため、円の通貨価値が大幅に下がると、返済する分の外
貨を調達することが苦しくなるからです。
□ 国債で大損することがある
国債を買っていれば安心だと思っていたら、それは飛んだ了見違いといわなけ
ればなりません。特にいまのように、GDPの2倍にもなろうとする国債などの
公的債務残高から見ると、いつ国債の価格が暴落するか、大変懸念されます。
皆さんの中には、どうして国債を買って損をするのかわからないという人もい
るでしょう。債券は最後まで持っていれば、元本は返ってくるのだから、損を
することはないだろうと考える人もいることでしょう。
しかし、国債で大きく損をすることがあるのです。たとえば、太平洋戦争末期
の1945年1月から1951年9月までの6年9ヶ月の間に、実に東京の卸
売物価は142倍にもなっているのですが、この間国債の価格は、暴落しまし
た。それは、物価上昇とともに、金利が暴騰したからです。金利が暴騰すれば
債券の価格は暴落です。
また、物価が暴騰すれば以前の貨幣価値が大幅に下がるため、物価が140倍
にもなれば、100万円の価値があるとして買った国債が、満期になって額面
金額を受け取っても、140倍もの物価上昇後の実質的な価値は、140分の
1になってしまうのです。
このように、国債を持っていれば安心ということはないのです。しかし、国に
してみれば国内で国債を発行している限り、物価が上昇してしまえば、過去の
国債の返済は楽になるということになり、好都合なわけです。
読者の皆さん、これからはますます国債のリスクに注意を払ったほうがいい状
況になりつつあります。国債だから安心という時代ではなくなってきているの
です。
今週のメルマガ、いかがでしたか。それでは皆さん、来週以降のメルマガ「債
券」編を、是非ご期待ください!!
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の濃い情報を紹介していきますので、お友だちやお知り合いにも教えてあげて
くださいね。
それでは、また来週お会いしましょう。皆さんの一週間が、すばらしい一週間
になりますように!
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編集後記:
日本国債は、残高600兆円。95%が国内で消化されていて、金融機関が融
資先に資金を回さず、もっぱら国債に資金をつぎ込んでいるため、現在でも国
債金利は大変低くなっていますが、それも長くは続かないでしょう。国債残高
が増え、いよいよ国内だけでは消化しきれなくなり、海外に消化先を求めると、
海外の投資家からはもっと高い金利を要求されます。
そうなりますと、金利の急上昇、国債価格の暴落という道筋が見えてきます。
このようなことは、決して絵空事ではなく、何が起こっても驚かない、心の準
備と実際の防御策が必要です。
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