2010/09/06 債券の格付けを巡るお話 No.1
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■ メルマガ『債券』編
―債券の格付けを巡るお話―
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このメルマガは、『株式』編、『投資信託』編と続き、第3弾として、『債券』
編となっています。このメルマガのタイトルにあるように、このメルマガを毎
週読めば、資産運用の成功に導いていくということをきっと実感できることで
しょう。どの金融機関にも属さず、どの運用会社にも気を使う必要はない、完
全独立のファイナンシャル・プランナーだから書けることがあります。これか
らも、『本当はどうなのよ?』『本当のことを教えて!』に答えるメルマガにして
いきます。どうぞご期待ください!!
さて今回も引き続き、債券にとって非常に重要な格付けのお話です。債券には
格付けが付き物といってもいいくらいです。ある債券を買おうとする場合に、
かならず付いてくるのが「それで、格付けは?」という言葉です。格付けの何
たるかを知っていると、きっと資産運用の大事な助けになることでしょう。
□ どの程度の格付けの債券を買えばいいの?
先週号のムーディーズの格付け定義の中で、以下の二つの格付けがあります。
A-中級の上位で信用リスクが低いと判断される債務に対する格付け、
Baa-信用リスクが中程度と判断される債務に対する格付け。中位にあり、一
定の投機的な要素を含む。
9段階ある格付けの中で、なぜここでこの格付けだけを取り上げたかといいま
すと、小生が考えるに、この二つの格付けのあたりが投資適格の分かれ目と考
えるからです。プロの投資業界では、Baa(トリプルビー)は投資適格といわ
れています。しかしながらプロが買う場合にはそうでしょうが、Baaは一般の
個人が安心して買える格付けではないと小生は判断します。なぜかといいます
と、上のBaaの格付け定義の中に、「一定の投機的要素を含む」と書かれてい
ます。債券の満期である5年、10年後には今の情勢とは世の中や経済は大き
く変わり、その会社の業容や収益状況は大きく変わっているかもしれません。
それは大変な未知の世界です。したがって一般の個人が安心して買っていい債
券というのは、A(シングルエー)以上としておくべきでしょう。少し利率が
高いからといってBbbの社債を買って債務不履行になった債券(2008年
のスルガコーポレーション、Bbb-(日本格付け研究所の格付け))もあります。
なお、BbbとBaaの下の小文字の違いは無視してください。両方ともトリプル
ビーです。
□ 格付け会社によって、格付けは違うか
では、格付け会社によって格付けは違うのでしょうか。また格付けが違うとし
たらどこの格付け会社に注目すべきなのでしょう。ここは皆さんにとって非常
に重要です。なぜかといいますと、格付け会社によって格付けは違い、ある格
付け会社は大概他の格付け会社の格付けより信用度が高いランクの格付けをす
ることがあるからです。ある債券を買うか買わないかを検討する場合に、ある
格付け会社はA、別の格付け会社がBaaの格付けを出しているとします。いつ
も甘い格付けを出している格付け会社の格付けAを信頼して他の格付け会社の
Baaを無視して買っていいものでしょうか。ここは格付けを見る上での重要な
ポイントですが、厳しい格付けを基準に投資判断をするべきです。なぜかとい
いますと、それが皆さんにとっての利益になるからです。その利益とは、お金
が返ってこないというリスクが減るからです。
□ 格付けや格付け会社の問題点
格付け会社で格付けが違うことに関連して格付けの問題点についてお話しまし
ょう。これを知っておきますと、「へえー、そうだったのー。」と感じる人もき
っといることでしょう。舞台の裏側をのぞいた気分になりますよ。
皆さん、では米国の2大格付け機関のムーディーズとスタンダード&プアーズ
(上場する親会社マグローヒルの1部門)が上場している収益企業であるよう
に、収益拡大を目指す格付け機関は格付けをすることにより、どこから収入を
得ているのでしょう。間接的でも投資家からでしょうか。あるいは債券発行を
アレンジする証券会社でしょうか。それとも債券の発行会社からでしょうか。
この3つのどれかにあるのは、間違いありません。実は、発行会社からなので
す。格付け会社が収入をいただくお客様は発行会社なのですが、では発行会社
にとっての格付け会社を選ぶ基準は何でしょう。簡単です。いい格付けをして
くれるところ、あるいは、格付け費用が安いところです。(ただし、大企業など
自社の格付けに自信があるところは、メジャーな格付け会社を選ぶところが多い
です。)その中でも、格付け費用が安いといってもたかが知れていますし、まず
コストの前にいい格付けをしてくれることが先決です。そこで発行会社の格付
会社ショッピングが始まり、格付け会社の格付けディスカウント(発行会社に
とっておいしい甘い格付けをつける)、格付け費用の割引合戦の余地が出てくる
のです。小生は実際にそうだといっているわけではありません。そうなりうる
土壌があるということです。そしてそれは投資家にとっては決していいことで
はありません。甘くつけられた格付けを信じて投資すれば、お金が返ってこな
いリスクが本来より増えるからです。
これに関連してお話しますと、いつも甘い格付けを出す傾向のある格付け会社
1社のみの格付けしかない債券の投資判断は慎重にするべきです。そしてA以
上の債券を選ぶこと、2社の格付けがある場合には厳しい方を基準にするという
ところが、選択基準といえます。いかがですか? 格付けといっても奥が深い
でしょう。
次回は格付けの見直し、今回のサブプライム問題の発端となった米国住宅担保
債券(RBS)の格付けの問題点、国の格付け特に日本の格付けについてお話し
ましょう。
では、次回をお楽しみに!!
今週のメルマガ、いかがでしたか。それでは皆さん、来週以降のメルマガ「債券」
編を、是非ご期待ください!!
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の濃い情報を紹介していきますので、お友だちやお知り合いにも教えてあげて
くださいね。
それでは、また来週お会いしましょう。皆さんの一週間が、すばらしい一週間
になりますように!
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編集後記:
先週号で、小生が減量できたことについて(5月半ばから約9キロ減)お話し
ました。その減量法につき、ここでご披露します。といっても、あまり大げさ
なものではないのです。「夕食の量を半減以下に、さらに夕食のご飯ものはパス
するか少量に」これを続けることです。それを続けるコツは、「今晩はこれだけ」
と食べる前にきっちり決めて、そのお皿をならべて、それ以上食べないことです。
小生の場合、週に3~4回10キロジョッギングやウェートトレーニングをやる
のですが、これまでなかなか減らずに逆に増える傾向があったのですが、これを
実行しましたらテキメンです。やはり食事の量を減らすことが減量には一番ですね。
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