2023/12/25 SBI証券がIFAに価格つり上げを指示-やはりそういう構図だった!
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-SBI証券がIFAに公開価格つり上げを指示-やはりそういう構図だった!-
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グローバル・スタンダードの米国証券アナリスト資格「CFA」と、FPの最上位国際資格「CFP」をもつ公認投資助言者(RIA)の尾藤峰男です。このメールマガジンは、読者の皆様のおかげで、第522号となりました。
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-SBI証券がIFAに公開価格つり上げを指示-やはりそういう構図だった!-
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つい10日ほど前の日経新聞1面記事に、「SBI証券処分へ、初値吊り上げ、仲介業者に指示」という記事が載っていました。まったく情けない話です。「やはり」と思うと同時に、これでは「顧客本位の業務運営」など、ほど遠いという感を抱きました。日本の金融機関は、金融庁の顔色を見ながら、「顧客本位の業務運営」をうわべだけやったふりをしている感が否めません。そういえば、この頃「顧客本位の業務運営」という言葉をあまり聞かなくなってきました。一体どうなっているのでしょう。このあたりを、今週はじっくりと見てみましょう。
□ IFAがよいIFAなのか、悪いIFAなのか、外から区別がつかない
SBI証券が業務委託契約する、金融商品仲介業者(いわゆるIFA、独立系ファイナンシャルアドバイザー)3社に、公開初値を吊り上げるため、SBI証券の役員が主導して指示を出し、IFAの174人の顧客に買い注文を出させたというのです。これでは、IFAは「独立系」と称しながら、SBI証券の担当部署、自社の社員と変わりません。こういう不正行為が出てくると、IFAは、こういう会社や個人ばかりではなく、しっかり顧客の利益を考えてやっている人もいるといっていますが、こういう不正行為が出たということは、我々利用者は、IFAは、こういうことをするんだと見たほうがよいということです。なぜなら、どのIFAがよくて、どのIFAが悪いかは、外から区別がつかないからです。以前、金融庁からヒヤリングに呼ばれて訪れた際に、担当官に「いっそIFAをやめさせたらどうでしょう」と問いかけると、「IFAも生活があるから」との回答でした。「顧客本位」か「業者寄りなのか」と、はっと感じてしまった次第です。
□ IFAの急増ぶりは、おぞましい限り
この日経の記事によれば、IFAの人数は急増しているそうです。2017年3000人をやや超える程度だったのが、現在では6500人ほど。よほど実入りがいいのでしょうか。また証券会社にとって、IFAに業務委託するということは、人件費をかけずに効率的に販売員を増やせるという大きなメリットがあります。それにもかかわらず、IFAは法律的に証券会社に所属する登録外務員なのです。社員と同じということです。今回のSBI証券のIFAに指示を出す一件を見ても明らかです。蛇足ながら、今回の不正には、世の中では立派な経営者で通っている北尾会長や高木SBI社長の関与は認められないとのことですが、経営責任はいかがなのでしょう。このような悪質な事件を起こしながら、このまま頬かむりで終わるのでしょうか。
□ 現状は、望ましい資産運用の姿からは程遠い、
金融庁は、来年から、金融商品から手数料を取らないアドバイザーの認定制度をつくるということですが、IFAのようなグレイ・エリアを残して、さらに、新たな制度をつくるというのはいかがなものでしょうか。そもそも、投資助言・代理業(個別金融商品の紹介、助言をして、金融商品から手数料を取らない業者)という登録制度があるなかで、新しい認定制度をつくっても、ますますわかりにくくなって、利用者は混乱してしまうのではないでしょうか。さらに、投資助言業登録業者でなければ、個別金融商品を紹介してのアドバイスはできません。認定アドバイザーが、個別金融商品を紹介できないということは、利用者は十分認識しておく必要があります。それで十分なアドバイスができるでしょうか。屋上屋だか、張子の虎か、ますます、この先の行く末が見えてきてしまいます。このままでは、ほぼ50年はダメと、利用者は見ておいた方がよさそうです。こうして、資産形成のための大事な時間が過ぎて行ってしまうのです。利用者が気の毒です。どうしたらよいか、なかなか判断ができない中で、利用者が最も識別するよい方法は、投資助言代理業者に登録し、かつ金融商品仲介業者に登録していない業者を見つけることです。
いかがでしたか、今週のメールマガジン。
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■ 編集後記:
今週も辛口のメールマガジンとなってしまいました。利用者本位の内容にしようとすると、どうしてもこういう内容になってしまいます。「顧客本位」というのも、こういうスタンスで行かないとダメではないでしょうか。掛け声だけで、何年かすると尻すぼみでは、それに期待した利用者が気の毒です。それにしても、期待してもはしごを外されるのであれば、利用者はそういうもんだとして、自ら賢くなって、自分の人生を豊かで実りあるものにする努力をしていかなければなりません。
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メールマガジン発行者プロフィール:
尾藤峰男 公認投資助言者(RIA)
びとうファイナンシャルサービス株式会社 代表取締役
「米国CFA協会認定証券アナリスト」「CFP」「日本証券アナリスト協会認定アナリスト」「1級FP技能士」の4つの最高難度の資格を持つ。
金融機関と全く関係がない資産運用アドバイザーとして、投資助言料のみで個人の金融資産や退職金の運用助言・ライフプランニングサービスを提供する。グローバルな投資理論や外国株投資・国際分散投資に精通。日本経済新聞、週刊東洋経済、週刊エコノミスト、ダイヤモンドなどへ寄稿・コメント多数。日経CNBC、テレビ東京などにも登場。著書に「いまこそ始めよう 外国株投資入門」「バフェットの非常識な株主総会」。
2000年びとうファイナンシャルサービス株式会社設立。
投資助言・代理業登録-関東財務局(金商)第905号
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■発行責任者 尾藤 峰男(びとう みねお)公認投資助言者(RIA)
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