2024/11/25 セブン&アイは、なぜカナダ同業による買収提案に至ったか?
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-セブン&アイは、なぜカナダ同業による買収提案に至ったか?-
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グローバル・スタンダードの米国証券アナリスト資格「CFA」と、FPの最上位国際資格「CFP」をもつ公認投資助言者(RIA)の尾藤峰男です。このメールマガジンは、読者の皆様のおかげで、第544号となりました。
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-セブン&アイは、なぜカナダ同業による買収提案に至ったか?-
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イトーヨーカ堂やセブンイレブンを擁するセブン&アイに対する、カナダのコンビニ大手(ACT)による7兆円の買収提案に対して、セブン&アイの対応が注目されています。いまでは、創業家が株式を買い取り、非公開化することが検討されているとのことですが、ここまでに至った経過を、数年前までさかのぼって見てみるのも面白いでしょう。
□ セブン&アイの成長鈍化は、社内クーデターが発端
そもそも、セブン&アイの成長鈍化は、当時のトップで実力者、鈴木敏文氏が、2016年春、井阪セブンイレブン社長に退任を求めたことが事の始まりではないでしょうか。退任を迫られた井阪氏は「いやです」と拒否。逆に、理不尽であると周りを味方につけ、鈴木氏が息子への世襲を狙っているというような話が出て、逆に鈴木氏が退任となったという、クーデターのような形になったのです。
その頃から、セブン&アイの低迷が始まったような感があります。鈴木氏が、以前に、セブンイレブンの屋台骨は、ガラス細工のようなもので、少しでも改革を怠れば、すぐに崩れるといっていたのを思い出します。
□ 井阪政権下、業績がよくなったという話は聞かない
井阪社長が文字通りトップになり、なにかしたかというと、パフォーマンスはいいが、特になにかをしたという印象はありません。その間、西武・そごうは売却、イトーヨーカ堂店舗は大量閉鎖という顛末です。最近は、コンビニも、ファミリーマートやローソンの方が、勢いがあるようで、セブンイレブンのブランド価値が落ちてきているように感じます。
井阪社長は、買収を申し入れているACTに対抗するため、将来の売り上げ計画を大きくぶち上げていますが、特にこういう局面では、単なるアドバルーン。だれでも言うことはできると取られるだけでしょう。
□ たとえ非公開化しても、口出しする人が多くなるだけ
さて、今後何とかACTによる買収を避けるため、創業家が買収して、非公開化すると言っていますが、買収資金は7兆円を超えると見られます。3メガバンク、ファミリーマートの親会社である伊藤忠にも資金拠出を要請、さらにはKKR、ベインなど米買収ファンド4社に参加意向を打診しているようですが、なんとしても、ACTによる買収だけは避けたいという印象です。しかし、たとえそれが成功しても、口を出す人が多くなるだけ。東芝のような顛末となりかねません。
ここ数年の経営の停滞、それがもたらした株価の低迷(この10年で日経平均の上げ幅96%の半分)が、外資に付け込まれる原因となっている感があります。
いかがでしたか、今週のメルマガ。このメルマガを、お友達にも紹介して上げてください。また率直なご感想・ご意見もお待ちしています!
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■ 編集後記:
トランプ次期大統領の政権幹部の人選が進んでいますが、まさにトランプ色がはっきり出ています。いわば「自分に忠誠を誓う人物」に焦点を当てています。テレビの司会者、自分の弁護をした弁護士、ちょっと軍務についた防衛長官、プロレス団体のトップ・・・。初回の大統領就任時の人選は、能力がある人物も入れましたが、意見が対立、自分と合わないという顛末になり、今度はその轍を踏まないという決意の表れでしょう。しかし、あまりにも露骨。トランプ政権がどうなっていくのか、見ものです。
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メールマガジン発行者プロフィール:
尾藤峰男 公認投資助言者(RIA)
びとうファイナンシャルサービス株式会社 代表取締役
「米国CFA協会認定証券アナリスト」「CFP」「日本証券アナリスト協会認定アナリスト」「1級FP技能士」の4つの最高難度の資格を持つ。
金融機関と全く関係がない資産運用アドバイザーとして、投資助言料のみで個人の金融資産や退職金の運用助言・ライフプランニングサービスを提供する。グローバルな投資理論や外国株投資・国際分散投資に精通。日本経済新聞、週刊東洋経済、週刊エコノミスト、ダイヤモンドなどへ寄稿・コメント多数。日経CNBC、テレビ東京などにも登場。著書に「いまこそ始めよう 外国株投資入門」「バフェットの非常識な株主総会」。
2000年びとうファイナンシャルサービス株式会社設立。
投資助言・代理業登録-関東財務局(金商)第905号
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