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2011/10/31 株主を大事にする会社は株主還元をこうする

2011/10/31 株主を大事にする会社は株主還元をこうする

この度の東日本大震災により、犠牲になられた方がたとご遺族の皆様に対し、
深くお悔やみを申し上げます。また、被害にあわれた方がたには、謹んでお
見舞い申し上げます。

1日も早く復興し、皆様がもとの生活に戻られますことを、心よりお祈り申
し上げます。
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2000年当社設立。グローバルな投資理論や外国株投資・国際分散投資への造詣
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グローバル・スタンダードの証券アナリスト資格CFAとFPの最上位国際
資格CFPをもつFP・資産運用アドバイザーの尾藤 峰男です。この週刊メ
ールマガジンは、読者の皆様のおかげさまで、第171号となりました。

このメルマガは、連載形式になっています。『株式』編、『投資信託』編、
『債券』編と続き、現在第4弾『資産運用』編となっています。お知り合いや
友人の方にも、ぜひ紹介してあげてください。

このメルマガでは、大切なお金の運用で皆さまのお役に立てるよう、その成功
へのステップを私、尾藤 峰男がわかりやすくお話していきます。金融機関か
ら完全独立のFP・資産運用アドバイザーだからこそ、本当に役に立つ情報を
お届けできます。これからも『本当はどうなの?』『本当のことを教えて!』
に答えるメルマガにしていきます。ぜひ、ご期待ください!! 

私、尾藤 峰男は世界の金融業界・法曹界・会計士業界など誰もが認める世界
最高峰のグローバル・スタンダード資格、米国CFA証券アナリスト資格を有し
ています。日本発では得られない情報も、このメルマガでたくさん提供してい
きます。

米国CFA協会では、このようにいっています。

-CFA資格保有者といっしょにやることは、他のどの資産運用のプロとやって
も得ることができない心の安心を顧客にもたらす。

-CFA資格を保持しているということは、他のどの資産運用のプロでも決して
到達することのできないレベルで、お客様の事情や状況を詳細にわたり理解で
きる能力を持っていることを証明するものである。

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■ メルマガ『資産運用』編

  -株主を大事にする会社は株主還元をこうする。-

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□ こういう会社には、投資したくなる。

インテルという会社を知っていますか。半導体最大手の米国企業です。この会
社の最近の株主還元姿勢を見てみますと、如何にその会社の株主還元姿勢によ
って、株価や配当金が影響を受けるかが、わかることでしょう。そのあたりを、
ここで、じっくりとお話します。なお、私、尾藤 峰男は、インテルをいい株
として勧めているわけではありません。株主還元を語る際の具体例として、あ
げています。

□ 株価を上げるのは増益率ではなく1株利益の成長率-ここが肝

インテルは、第3四半期(2011/7~9)に+24%の増益を達成しました。これだけ
でも、この時勢に、大変いい業績を上げているわけですが、実は、株価に直接
影響を与える1株利益は+33%の成長率になっています。一般的には、利益の増
益率で、その会社の業績を計りますが、株式投資の面からみると、1株利益がど
の程度伸びているかが、重要です。なぜなら、会社は株主が所有するものであ
り、その株主は、その株式持分に応じて利益を分配されるので、1株利益がいく
らか、どの程度伸びているかが、株主にとって重要なのです。

□ 株主を大事にする会社は、利益を上回る株主還元をする

インテルは、配当重視型投資家にも手厚く、第3四半期に11億ドルの配当金を
支払い、配当利回り3.6%の十分な還元をしています。さらに特筆すべきは、
同時期に、配当金の4倍近い40億ドルを自社株買いにあて、1億8600万株を消却
しています。実は、この第3四半期の純利益は37億ドルですので、それを大幅に
上回る額の配当・自社株買いを行っていることになります。

「利益を上回る配当・自社株買いをする」というと、そこまでする必要がある
のか、あるいは、かえって内部に資金を置いておかないで、財務内容が悪くな
るのではないかという見方があります。そこは、確かにある面では正しいので
すが、一方で、こういう企業は、先行きの業績に自信があり、「利益を上回る
株主還元を行なっても、これからもっと増益が達成できるから、大丈夫。」と
いう姿勢をしっかり持っています。「利益をため込むより株主に還元して、贅
肉を落とし、会社を筋肉質にして、強靭な経営体質にする」「借り入れも選択
肢、自己資本と借り入れの適切なマネージメントが、経営効率、投下資本利回
りを上げる」という考え方を背景にしているといってよいでしょう。

□ 株主を大事にする会社は、借金してまで株主還元をしようとする

さらに、インテルは、発行株数減少に大変傾注しているため、自社株買いプロ
グラムを加速させ、なんと50億ドルを借り入れ、残存する40億ドルの自社株買
い枠と合わせて、140億ドル(円高でも1兆1000億円!)の自社株買いプログラ
ムを発表しました。日本のように、大企業で数百億円の自社株買いを発表して、
偉そうにしているレベルではありません。これを実行すると、さらに発行株数
を11%減少させることになります。これが、ひいては、利益の増益率を上回る、
1株利益の成長率をもたらすのです。具体的には、たとえば+20%の増益率でも、
1株あたりの成長率=〔240/(1-0.11)〕/(200/1)=+35% となるのです。

□ 株主を大事にする会社は、微増益でも1株利益成長率は大きく上回ることも

これが何を意味するかといいますと、2012年に純利益は+5~10%増益にとどまる
ことが予想されても、1株利益は+18~24%増加するというすばらしい結果をも
たらし、株価を上げる効果があるということです。このように、株主還元姿勢が
一貫して行き届いた企業は、株主は安心して持っていられます。そのため、長く
持ってもらえる株主が必然的に多くなり、良質な株主構成になるわけです。

□ 日本の株主還元姿勢はめちゃめちゃ-コーポレート・ガバナンスが欠如。

ところが、日本の企業は、公募増資を大量に行い、20%も30%も発行済み株式を
増やし、既存株主の持分を大きく引き下げても平気な会社が多いのです。上のイ
ンテルとは、真逆の対応です。

こういう会社の根っこには、企業統治(コーポレート・ガバナンス)という面で
の欠如(いわゆる自己保身、利益のため込み、株主軽視がまかり通る)が見られ、
それが引いては、国際優良株で外人もたくさん持っているオリンパスのように、
数日で半値以下になるというような、大変な痛手を株主にもたらすのです。ちな
みに、10月13日2500円だったオリンパスの株価は、24日1012円まで下がりました
(実質営業日で8日間)。たった3~4年で10分の1になった野村、みずほ、数ヶ
月で10分の1になった東京電力にも、企業統治という面では、同じことが言えま
す。みな大幅な希薄化を伴う公募増資をやっています。

コーポレート・ガバナンスとは、正確には、取締役会の取締役構成のことです。
企業を統治する取締役が、日本の場合は、上場会社の平均で、12名が社内取締役、
社外は1人程度ですが、米国の場合、12名が社外取締役、社内は1人!(それも社
長のみ)というように、まったく企業統治の構成が違うのです。そのため、日本
の場合、取締役を内輪で固めますから、「お手盛り、自己保身、株主より社内優
先、無駄な投資、不祥事、お家騒動」などが抑えられないという体をなしてくる
わけです。
□ 企業統治(コーポレート・ガバナンス)の欠落が大きなリスクに

今回のオリンパス、みずほ、野村、東京電力の大幅な株価下落は、如何に株主を
重視し、それを確実にする企業統治(コーポレート・ガバナンス)が大事かを、
如実に示すものといってよいでしょう。ここにあげた日本の代表的企業が、この
ような状況ですから、こういう会社にぶち当たりますと、大変です。すでに被害
を受けた株主は、数え切れない人数でしょう。このコーポレート・ガバナンスの
欠落に、日本株の深刻な低迷の大きな原因があるのです。

ただし、このコーポレート・ガバナンスの欠落についても、すでに長年にわたり
指摘されているわけですが、日本の経営陣は、それをほとんど無視し続けて、一
向に改善しません。そういう面では、TPPとか円高については声高に言う経団連も、
コーポレート・ガバナンスには腰が引け、横を向いている姿勢はいただけません。
経営者の自己保身が如何に根深いかを物語るものといってよいでしょう。極論を
言えば、コーポレート・ガバナンスが改善しない日本では、株式投資は、リスク
が大きすぎるともいえます。

□ 弊社は、コーポレート・ガバナンスに劣る企業をすすめない。

このことは、私ども、びとうファイナンシャルサービスは、何年も前から主張し
ていることであり、幸いに、私どもは、日本企業のなかで、コーポレート・ガバ
ナンスが欠如して、突然株価が急落するような会社をおすすめしたことはありま
せん。逆に、あらかじめ売るようにおすすめしています。しかし、そのように選
別することは、手前味噌ながら、非常にむずかしいことです。また、私どもは、
外国のグローバル企業で、優れたコーポレート・ガバナンス、株主重視姿勢をもつ
会社を、たくさん紹介してきています。そのため、配当金が増配で着々と増え、
自社株買いを積極的に進める企業が、ほとんどすべてという状態になって、お客
様にも安心して持っていただいています。

こうすることによりできるだけ下げ幅を抑え、厳しい環境下においても、証券会
社や銀行で取引をしている一般の個人に比べると、大幅に損失幅が少なく、ある
いは、長年の間には利益を確保しているという形になっています。このような姿
勢は今後も堅持し、皆さんに安心して過ごしていただけるように努めていきます。
重ねてお伝えしますが、こういう外国株を、一貫した方針でポートフォリオに組
入れる投資戦略のもと、お客様に勧めているのは、日本で私どもだけです。投資
の成功に関心のある方は、ぜひ、ご相談ください。

いかがでしたか、今週のメルマガ。これからも私、尾藤 峰男は、メルマガ読者
の皆さんに、真に役に立つ「資産運用を成功に導く」情報を発信していきます。
ご期待ください!

それでは、皆さん、今週も充実した1週間でありますように!

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■ 編集後記:

実に、オリンパスの不祥事は、情けない、の一言です。現経営陣も、通り一遍の
説明でお茶を濁したまま、まったく説明になっていません。この闇は、いずれ内
外の金融監督当局により調べ上げられるのでしょうが、こう株価が急落しますと、
株主代表訴訟も続出しておかしくありません。

ところで、オリンパスの飛びぬけて高い買収価格による特損は、証券投資の失敗
による損失を振り替えるための会計操作という見方があります。取締役会が、社
内で固まりますと、こういうことまで、まかり通ってしまうおそれがあります。
すでに遅きに失していますが(海外の企業に軒並み負けているところを見ても)
日本の経営者は、真剣にコーポレート・ガバナンスに取り組む必要があります。
そうしないと、このように、天につば吐いて、帰ってくるのです。

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  の健康管理をするホームドクターです。

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           投資助言・代理業 関東財務局長(金商)第905号

■ 発行責任者     尾藤 峰男(びとう みねお)
           米国CFA協会認定証券アナリスト
           日本証券アナリスト協会検定会員
           1級ファイナンシャルプランニング技能士
           日本FP協会CFP認定者

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