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2012/01/10 オリンパス元社長のグッドバイは外人投資家のグッドバイかもしれない

2012/01/10 オリンパス元社長のグッドバイは外人投資家のグッドバイかもしれない

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グローバル・スタンダードの証券アナリスト資格CFAとFPの最上位国際
資格CFPをもつFP・資産運用アドバイザーの尾藤 峰男です。この週刊メ
ールマガジンは、読者の皆様のおかげさまで、第180号となりました。

このメルマガは、連載形式になっています。『株式』編、『投資信託』編、
『債券』編と続き、現在第4弾『資産運用』編となっています。お知り合いや
友人の方にも、ぜひ紹介してあげてください。

このメルマガでは、大切なお金の運用で皆さまのお役に立てるよう、その成功
へのステップを私、尾藤 峰男がわかりやすくお話していきます。金融機関か
ら完全独立のFP・資産運用アドバイザーだからこそ、本当に役に立つ情報を
お届けできます。これからも『本当はどうなの?』『本当のことを教えて!』
に答えるメルマガにしていきます。ぜひ、ご期待ください!! 

私、尾藤 峰男は世界の金融業界・法曹界・会計士業界など誰もが認める世界
最高峰のグローバル・スタンダード資格、米国CFA証券アナリスト資格を有し
ています。日本発では得られない情報も、このメルマガでたくさん提供してい
きます。

米国CFA協会では、このようにいっています。

-CFA資格保有者といっしょにやることは、他のどの資産運用のプロとやって
も得ることができない心の安心を顧客にもたらす。

-CFA資格を保持しているということは、他のどの資産運用のプロでも決して
到達することのできないレベルで、お客様の事情や状況を詳細にわたり理解で
きる能力を持っていることを証明するものである。

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■ メルマガ『資産運用』編

-オリンパス元社長のグッドバイは外人投資家のグッドバイかもしれない-

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オリンパス元社長ウッドフォード氏の委任状獲得による株主総会での社長就任
作戦は、あえなく失敗に終わりました。ウッドフォード氏は、きっと日本の株
主構成の特殊性を思い知ったことでしょう。株主総会で経営陣が思うとおりに
進められるよう、持ち合いにより主要株主をしっかり固めていることを初めて
知ったことでしょう。

あの、外人株主が多いオリンパスをして、このありさまです。これでは、外人
投資家の日本株への関心は、ますます遠のいてしまいます。

□ 日本株は自律的方向感を失い、空前の閑散状態

いまや、日本株は海外、特に米国市場の動きで朝ちょっと動くと、その後はず
っと無風、出来高は空前の閑散状態です。「日本株の死」といってもいい状態
です。兜町で、ビュービューと寒風吹きすさぶなか、路肩にスーツを着て座り
込んでいる人を見ました。まさに、日本株市場は、誇張ではなく、このような
風景の状況なのです。

いまや買い手不在は顕著で、買うのは、細々と日銀のみ。そのうち、日銀も買
うお金はなくなるでしょう。良質な外人投資家は遠のき、年金はこれから本格
的な取り崩しで日本株の売り手に回り、個人もオリンパスや東京電力の株価、
10分の1も下がる金融株の下落を見ては、とても腰を据えて買えません。

□ 外人投資家も、あきれて、ますます日本株は買わない

ブルドック・ソースや電源開発では外人の株主提案が退けられ、今回のオリン
パスの問題でも外人の社長就任への動きは撤退を余儀なくされ、日本の株主風
土の特殊性はますますクローズアップされています。外人にしてみれば、新興
国など、他にいくらでもよい投資先がありますから、日本株は買わなければい
いだけの話です。このような動きがすでに始まっていて、日本株市場の惨憺た
る有様になっているともいってよいでしょう。

□ 社会的制裁が甘い日本株

今回のオリンパスの上場問題を見ていると、上場維持の方向です。そうであれ
ば、ペナルティが甘いといわざるを得ません。東証の上場判定でも、世の中の
顔色をうかがいながら、当たり障りない結論を出すというスタンスを感じます。
上場企業の規律を維持する社会的公器という存在感を感じません。もともと官
僚色の強い体制ですから、期待する方が無理ともいえます。

オリンパスのような企業は一罰百戒で、即上場廃止にするのが筋です。上場基
準に合わせてどうのこうの、という持って回った理屈付けをせずに、最初に、
そのようにもっていくべく、方向性を決めなければなりません。たとえ上場廃
止でも、既存株主の利益は、買収ファンドによる高い価格での買い取りなどに
より、確保できる可能性がかなりあります。上場維持となれば、資本提携先に
新株発行して既存株主の持分が減り、かえってマイナスにもなりかねません。

□ 株の持ち合いは減ったといっても、いまだ日本株の悪弊

さて、今回のオリンパスでも、持ち合い株がクローズアップされました。この
株の持合、経営陣にとっては、きわめて居心地がよく、株主総会もすんなり通
ってしまう代物ですが、一般株主にとっては、これほど、株主利益を減らすも
のはありません。株の持ち合いは、経営者の自己保身のための馴れ合いの仕業
です。この持ち合いは減ったといっても、企業や金融機関の株主対策として、
連綿と続いているのです。

これが、一般株主に対し、どう被害が及ぶかといいますと、たとえば新日鉄、
住金、神戸鋼鉄鋼3社の株の持ち合いは、各社に、数百億円規模の評価損を2年
連続もたらしました。ちなみに、新日鉄は、2010年度保有株の下落から全体で
537億円の評価損、今期はすでに住金株だけで800億円の株式評価損を出す見通
しです。アルセロールミタルの買収を恐れ、3社で株を持ち合った当時の三村
社長は、経団連新年会のインタビューで「これで、アルセロールミタルの買収
攻勢は逃れられる」といっていますが、これは典型的な自己保身です。三村氏
は、現在も会長で権勢を誇っていますが、株価は4年半前の5分の1になり、一
般株主にすべてしわ寄せが行っているのです。

2010年4月第一生命の新規公開により、一躍4.5%の第一生命筆頭株主に躍り出
たみずほコーポ銀行(ひいては、みずほFG)も、すでにこの取得で300億円の評
価損を出しています。懲りもせず、こういったことを続ける自行の株価は、5年
半前の10分の1です。これだけ株価が下がっても、経営者はのうのうと生き残り
すべて、われわれ一般株主にしわ寄せが来るのです。

□ 経営者が株主に横向きの企業が多い

いくら表向き「株主の利益を考えて」と経営者が唱えても、政治家が「国民の
ために」と枕詞のようにいうのと同じで、まったく空念仏に過ぎません。そも
そも、これだけ株価が下がっても平気でいられる経営者のいうことは信用でき
ません。本来でしたら、あまりにも下がりすぎた株価に、恥ずかしくて街も歩
けないところです。日本も、株価パフォーマンスで、経営者を評価したらよい
と思います。米企業などコーポレート・ガバナンスが行き届いた企業は、株価
が冴えないと、直接それを理由としなくても、結局それにつながる経営手腕や
能力を疑問視し、取締役会が経営者を放逐します。最近では、エイボンやヒュ
ーレット・パッカードがその例です。

□ 日本の個人は、日本株から一時離れるのも有力な選択肢。

以上の通り、株の持ち合い、株主無視など、目に余る経営者の質の低さを考え
ると、一時日本株から離れるのが、経営者の目を覚まさせるのに、もっとも手
っ取り早い選択肢という気もしてきます。株の持ち合いによる評価損から業績
が悪化したり、コーポレート・ガバナンスが欠如したりしているのは、株主に
してみれば、泥舟に乗っているのと同じです。そして、ゲームはいまだ進行中
であることを忘れてはいけません。

□ 立ち上がれ、日本の一般株主

また、一般株主は、もっと声を上げるべきです。あまりにもおとなしすぎます。
東京電力、オリンパスなど大幅に株価が下落した企業だけでなく、持ち合いに
より多額の評価損を出し業績を悪化させたり、大幅な希薄化の公募増資をした
りして、株価を下落させる企業は、どんどん株主として訴えたらいいのです。
コーポレート・ガバナンスを働かせるには、一般株主の下からの突き上げが、
もっとも効果があります。株主による代表訴訟や株価下落の損害賠償訴訟は、
今後、もっと利用すべき手段でしょう。

いかがでしたか、今週のメルマガ。これからも私、尾藤 峰男は、メルマガ読者
の皆さんに、真に役に立つ「資産運用を成功に導く」情報を発信していきます。
ご期待ください!

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■ 編集後記:

-米国経済は、ほとんど昏睡状態である・・・。経済は、なじみ深い循環的問題
ではなく、たくさんの構造問題で苦悶している。この構造的失敗は、解決する
のに何年もかかる。生涯に一度ほどの秩序崩壊を暗示している。それらのうち
でも、干上がった就業機会、家計の過大な借金、金融システムの崩壊、不動産
不況、医療・福祉コストの急膨張、歯止めが利かない財政赤字・・・。

さて、これを読んだ人は、きっと現在の状況と思ったことでしょう。実は、これ
はタイム誌が1992年に掲載したコメントです。マスコミの論調がいう現在の状況
と瓜二つ。その後、ニューヨーク・ダウは1999年末まで3.5倍に上昇し、偉大な
1990年代を体現したのです。さて2012年プラスで始まったニューヨーク・ダウは、
これからどんな経過をたどるか、先が楽しみです。

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  の健康管理をするホームドクターです。

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■ 発行責任者     尾藤 峰男(びとう みねお)
           米国CFA協会認定証券アナリスト
           日本証券アナリスト協会検定会員
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