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2012/05/28 フェースブック上場狂騒曲を目の当たりにして思う

2012/05/28 フェースブック上場狂騒曲を目の当たりにして思う

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-フェースブック上場狂騒曲を目の当たりにして思う-
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グローバル・スタンダードの証券アナリスト資格CFAとFPの最上位国際資格
CFPをもつFP・資産運用アドバイザーの尾藤 峰男です。この週刊メールマガ
ジンは、読者の皆様のおかげさまで、第199号となりました。

このメルマガは、連載形式になっています。『株式』編、『投資信託』編、『債券』
編と続き、現在第4弾『資産運用』編となっています。お知り合いや友人の方に
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このメルマガでは、大切なお金の運用で皆さまのお役に立てるよう、その成功へ
のステップを私、尾藤 峰男がわかりやすくお話していきます。金融機関から完
全独立のFP・資産運用アドバイザーだからこそ、本当に役に立つ情報をお届けで
きます。これからも『本当はどうなの?』『本当のことを教えて!』に答えるメル
マガにしていきます。ぜひ、ご期待ください!! 

私、尾藤 峰男は世界の金融業界・法曹界・会計士業界など誰もが認める世界
最高峰のグローバル・スタンダード資格、米国CFA証券アナリスト資格を有し
ています。日本発では得られない情報も、このメルマガでたくさん提供してい
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米国CFA協会では、このようにいっています。

-CFA資格保有者といっしょにやることは、他のどの資産運用のプロとやって
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きる能力を持っていることを証明するものである。

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■ メルマガ『資産運用』編

-フェースブック上場狂騒曲を目の当たりにして思う-

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米国フェースブックの上場は、これまでのところ大失敗に終わり、アメリカでは
その犯人探しと損害の取り戻しのため、大騒ぎの状況です。資本主義先進国、米
国に見るこの騒動を見て、われわれはどう考えるべきかを見てみましょう。

フェースブックは5月18日160億ドルの調達を伴う上場を果たし、創業8年で時価総
額1040億ドルの企業が誕生しました。5月7日に投資家向けロードショーを開始、
14日に公開価格帯を28~35ドルから34~38ドルに上げ、フェースブック株への購入
希望はものすごく、15日までに1000社以上の機関投資家が買付け希望を出したとの
事です。このため、公開株数を25%増額、17日には公開価格を上限の38ドルに設定
しました。

いよいよ、公開当日の18日、待ちに待ったフェースブック上場に世界の注目が集ま
ったのですが、そのドキュメントをお知らせしましょう。

□ 公開当日、ナスダック取引所が発注システムにトラブル

午前11時取引開始予定が30分遅れ、11時30分頃42.05ドルで寄り付いたあと、その
後も注文の執行に遅れが続き、午後2時まで2時間半もの間、注文が執行されたの
か、成約価格がいくらかわからぬまま、マーケット・メーカーは暗闇の中にいた
といっています。あるケースでは、その後成約結果が数日わからないままだった
とのことです。その間、買い注文を取り消したり、あるいは売るケースもあり、
45ドルまでつけた株価は、ずるずる下がり始め、主幹事のモルガン・スタンレー
は、上場当日は公開価格の38ドルあたりで大量に買い支えたとされています。こ
の2時間半の間、ナスダックから十分な説明はなく、間違った説明まであり、主要
なマーケット・メーカーの損失は、1億ドルを優に超えると報道されています。
この原因の詳細はいまだ不明ですが、大量の注文に、システムが対応できなかった
ことは明らかです。多くの取引業者が、ナスダックはいっそのこと取引を停止すべ
きだったといっています。上場初日の取引株数は5億7000万株に及び、公開株数4億
2100万株を1日で上回りました。

ナスダックは成約価格にあきらかな過誤がある場合に、価格調整をする旨、コメン
トしています。また、ここが米国の面白いところで、上場をナスダックに取られた
ニューヨーク証券取引所は、早くもフェースブックにニューヨーク取引所への上場
を勧めているということです。フェースブックも真剣に検討しているようです。

マーケット・メーカーからは、ナスダックに対し、システム障害による損害賠償請
求の動きがあります。このナスダックの不始末が、フェースブックの上場初日の成
否に与えた影響が非常に大きいことは、疑いようのないことです。

□ 公平な情報ディスクロージャーにも問題が

一方、情報のディスクロージャーの面でも問題が指摘されています。損害を被った
投資家がその損害を取り戻すため、どこかにその矛先を求めている面は否めません
が、その動きを追ってみましょう。

フェースブックは、4月23日に2012年第1四半期の収入・利益が2011年第4四半期よ
り下がった旨発表、5月7日のロードショー開始3日後には、SECに、モバイルのユー
ザーの拡大が広告収入の増加に結びついていない旨の書類を登録します。ここまで
はいいのですが、その後、主幹事のモルガン・スタンレーやJPモルガン、ゴールド
マン・サックスが、2012年第2四半期と通期の収入見通しを下方修正し、その情報
を限られた大口顧客にのみ提供したのではということが問題になっています。リテ
ールの顧客はつんぼ桟敷においておかれ、情報の公平な伝達の面で、著しく不利な
取扱いを受けたとしているのです。公開前の引受業者のアナリスト予想は問題ない
のですが、それが公平に広く提供されなかった疑いがあることを問題にしているわ
けです。なお、公開後は40日間引受業者のアナリスト予想は公表できないこととな
っています。

ここでは、一部報道は、フェースブックが、モルガン・スタンレーなど引受業者に
利益の下方修正を促したのでは、とも指摘しています。

早くも、この不公平な情報の提供については、大口投資家は有利な情報で不当な利
益を得たとして、フェースブックや引受業者への個人投資家の集団訴訟の動きがあ
ります。また、SECや業界の自主規制機関、連邦議会の金融委員会、州政府までも、
必要があれば調査に入る旨、コメントしています。

□ フェースブックの上場騒動に思う

フェースブックは、公開価格38ドル、上場初値42.05ドルに対し、上場2日後早くも
30.94ドルまで急落し、週末25日は31.91ドルで引けています。公開株を買えない日
本の投資家が、上場初値42.05ドルで買っているとすると、すでに24%下がっている
ことになります。今の時点では、あれだけ期待されたフェースブックの上場は、大
変な大失敗という評価にならざるを得ません。

ところで、わたくしども、びとうファイナンシャルサービスは、フェースブックの
上場時買付けのお客様への推奨を慎重に検討しましたが、上場時点でのお勧めは一
切しませんでした。

このような米国の市場参加者や関係者の動きを見て感じることは、以下のとおりで
す。

・ メディアの情報が、多くの匿名関係者の取材などを通じ、正確かつ詳細である。
  また、鋭い指摘が多い。

・ 一般投資家の集団訴訟やマーケット・メーカーの損害賠償請求などの損害回復
  行動(ペナルティ請求)がすばやい。

・ 監督当局や自主規制機関の調査は手心なく、罰則も厳しい。

・ 世論の趨勢をかんがみ、当事者の対応にも柔軟性がある。

まだ事態は進行中ですが、この動きを追っていると、米国の典型的解決、浄化プロ
セスが見え、今からその推移を見守りたいと思います。

そして、最後に大事なこと、上場時のような、市場がもっとも熱狂(ユーフォリア)
に陥るときこそ、冷静に慎重に事態を見極めること、そして引くべき時には冷静に
引くことです。これは、マーケットでいつの時点においてもいえることで、「マー
ケットが熱狂に踊っている時に恐れて引き(売り)、マーケットが悲嘆に暮れてい
る時に勇気を持って買う。」という言葉が輝きを増してきます。

いかがでしたか、今週のメルマガ。これからも私、尾藤 峰男は、メルマガ読者
の皆さんに、真に役に立つ「資産運用を成功に導く」情報を発信していきます。
ご期待ください!

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■ 編集後記:
このところ、銀行が借りてくれ、借りてくれと優良企業に盛んに勧める話を聞きま
すが、これは、要注意です。銀行は、返済リスクを恐れ、本当に借りたい企業には
貸さないで、あまり借りる必要がない優良企業に貸そうとする傾向があります。そ
こで安易に借りると恐いのが、ある日、突然返してくれというリスク。また、現在
はデフレで、借り入れの実質金利が見た目(名目金利)より高いということです。
優良企業はこの実質金利の負担が高いことから、むしろ借り入れの返済に回ってい
ます。国内企業の利益や労働者の賃金など所得の変化を示す2010年、2011年のGDP
デフレーターは、2年連続-2%と以前よりマイナス幅は拡大しています。たとえ借入
名目金利が1.5%でも、実質の借入金利は3.5%という計算が成り立ちます。実質的
返済負担はずっと大きいことに注意が必要です。

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  の健康管理をするホームドクターです。

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■ 発行責任者     尾藤 峰男(びとう みねお)
           米国CFA協会認定証券アナリスト
           日本証券アナリスト協会検定会員
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